1月 31日

2021-01-31 06:18:09 | Weblog
                       蕗の薹・ふきのたう・蕗の芽 ( 季=春 )

     蕗の薹見つけし今日はこれでよし         細見 綾子


     蕗のたう屈みて摘めり石道寺           栗田やすし


     地震跡の崖の崩れに蕗のたう           上杉美保子


     小振りなる渋民村の蕗の薹            都合ナルミ


     風化仏くちの笑みのみ蕗の薹           山 たけし


     大富士を仰ぎては摘むふきのたう         谷口千賀子


     蕗の芽に光る雫や雨後の朝            武藤光晴


     母がりに通ひし道や蕗の薹            栗生晴夫


     能登の塩添へ揚げたての蕗の薹          二村美伽


     蕗のたう沢音尖る峠道              山下善久


     天ぷらの衣薄めに蕗の薹             市原美幸


     黒土に座つてゐたり蕗の薹            中川幸子



          



     このあたり貝塚つづき蕗の薹           上村占魚


     包み紙しっとり濡らし蕗の薹           能村登四郎


     まだ風の色にまぎれて蕗の薹           今瀬剛一


     ほのぼのと大和三山蕗の薹            鷲谷七菜子


     蕗の薹雪ふかければ青磁かな           川端茅舎


     ほろ苦き恋の味なり蕗の薹            杉田久女


     わが庭のにぎやか秋田美人の蕗の薹        山口青邨




          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

          一都二府九県に非常事態宣言が発せられています
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1月 30日

2021-01-30 06:08:42 | Weblog
                      日脚伸ぶ ( 晩冬 )

          年も明けて、少しずつ日が長くなること。一月も終わりの
          頃になると、日が長くなったなあという感慨にとらわれることが
          ある。冬木の芽もしだいにふくらみ、春が近いことを感じる。
          ( ネットより知識を拝借しています )



     子が居りて花欲し日脚僅か伸ぶ       細見綾子


     自転車の弾く小石や日脚伸ぶ        河原地英武


     酢の蔵の小さき天窓日脚伸ぶ        伊藤範子


     日脚伸ぶ浜で拾へり枝珊瑚         奥山ひろみ


     拳吸ふ赤子の機嫌日脚伸ぶ         若山智子


     日脚伸ぶ牛舎に大き猫車          武藤光晴


     平積みの古書の埃や日脚伸ぶ        中野一灯


     網を干す島の小道や日脚伸ぶ        森垣一成


     日脚伸ぶ窓辺に並ぶ縫ひぐるみ       広瀬多恵子


     鼻歌の爺の盆栽日脚伸ぶ          渡辺かずゑ


     子供らに夕べのチャイム日脚伸ぶ      矢野愛乃



          



     かくれんぼ隠れ上手に日脚伸ぶ       丸野 紀子


     日脚伸ぶわたしが折れて仲直り       山田弘子


     ここにまた吾子の鉛筆日脚伸ぶ       中村汀女


     日脚伸ぶ殊に港の浜通り          松本たかし


     ブルックナー取り出す棚に日脚伸ぶ     稲畑廣太郎


     すわりても立ちても日脚伸びにけり     久保田万太郎


     日脚伸ぶ身をすり合ひて金魚の恋      鈴木真砂女



          

          三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 29日

2021-01-29 05:38:42 | Weblog
                       冬夕焼・寒夕焼・冬夕映・寒茜・冬茜


     寒茜校塔の玻璃富士映す          栗田やすし


     寒夕焼終れりすべて終りしごと       細見綾子


     坂下の寒夕焼に牧師待す          沢木欣一


     切絵師に渡すフランや寒茜         河原地英武


     兵眠る摩文仁の丘に冬夕焼         中村修一郎


     寒夕焼雪なき富士の粗々し         栗田せつ子


     母乗せて軽き自転車冬夕焼         関根切子


     寒夕焼寝まる羅漢をつつみをり       鈴木みすず


     冬夕焼塩田句碑に日の温み         森垣一成


     冬茜稜線しばし際立ちぬ          陰山玲子


     裏口に母待ちし日や冬夕焼         石崎宗敏


     寒夕日ボトルシップの帆を染むる      熊澤和代



          



     行くピエロ帰るピエロよ寒夕焼       小沢昭一


     東京やつくづく遠き冬茜          加藤秋邨


     冬茜欅の樹下の乳母車           飴山 實


     寒茜金星はまだ一つ星           森 澄雄


     ゆくりなく冬夕焼の尾をつかむ       櫂未知子


     寒夕焼じゃんけんぽんの石と紙       鷹羽狩行


     西の都の冬夕焼の崩れしか         夏井いつき



          

          もう少しの我慢です 三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 28日

2021-01-28 06:28:10 | Weblog
                      冬温し・冬暖か・暖冬

     穀倉の鼠返しや冬ぬくし          栗田やすし


     池底に鷺の足跡冬ぬくし          岸本典子


     百態の笑ひシーサー冬ぬくし        平 千花子


     野路守る円空仏や冬ぬくし         鈴木みすず


     ビートルズ鳴らす酒蔵冬ぬくし       森垣一成


     山積みの古書の匂ひや冬ぬくし       武藤光晴


     冬ぬくし湯溜り青き織部碗         梅田 葵


     音立てて乳呑む仔牛冬ぬくし        水野時子


     冬ぬくし婆振り売りの京野菜        石川紀子


     冬ぬくし帝釈天の腰豊か          藤田岳人


     紙祖宮に手押しポンプや冬温し       奥山ひろみ


     円空の伐折羅の笑まふ冬ぬくき       山下智子



          



     二階より見え暖冬の石仏          藤岡筑邨


     冬ぬくし重なり合ひて恋の絵馬       高橋悦男


     暖冬や砂丘をのぼる身の重さ        秋元不死男


     冬温く穴熊不眠症かこつ          津田清子


     カーテンで仕切る病室冬ぬくし       長谷川嘉代子


     冬あたたか嬰が母の手を食べんとす     池田澄子


     冬ぬくし子規の遺筆の玩具帖        有馬朗人




          

          もう少しの我慢です 三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 27日

2021-01-27 07:15:49 | Weblog
                      春近し・春隣・明日の春・春まぢか


     春近し雪にて拭ふ靴の泥          沢木欣一


     春近し時計の下で眠るかな         細見綾子


     春近き研究室を明け渡す          栗田やすし


     松の葉に掛かる氷や春隣          河原地英武


     春近し赤木の瘤は銅の艶          矢野孝子


     護符売りの巫女の緋袴春近し        武藤光晴


     干蛸の足まで透くる春隣          国枝洋子


     師の句碑と聴きし波音春近し        奥山ひろみ


     農小屋の風入れ替ふる春隣         藤田岳人


     春近し背負ふて選ぶランドセル       松永敏枝


     春隣紙飛行機のよくとべり         柴田孝江


     貝殻に波音聴けり春近し          長谷川郁代



          



     パンむしる手に春近き日ざしかな      久保田万太郎


     産科とふ名札はたのし春隣         中村汀女


     竈辺に塩ちりて春遠からず         能村登四郎


     こまごまと女世帯や春隣          星野立子


     マヌカンに恋のまなざし春隣        土生重次


     星空をまはす水車や春隣          市ヶ谷洋子


     よべの雨春隣まで来りけり         高木晴子



          

          もう少しの我慢です 三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 26日

2021-01-26 06:51:16 | Weblog
                      冬蝶・冬の蝶・凍蝶・蝶凍つる・越年蝶


     芥焼く煙のなかの冬の蝶          沢木欣一


     今日よりは冬の蝶なり低く飛ぶ       栗田やすし


     六道の辻に冬蝶見失ふ           横井美音


     地下壕を出れば真白き冬の蝶        斎藤真人


     草の葉と一枚になり冬の蝶         中川幸子


     影の無き大日時計や冬の蝶         渡辺慢房


     窯の屋根越ゆ瑠璃色の冬の蝶        山本光江


     紙切れのごとき籬の冬の蝶         清水弓月


     冬の蝶御穂田へ来て果てにけり       中根多子


     地ならしの馬場にゆらりと冬の蝶      加藤裕子


     冬の蝶日向の石に翅広ぐ          生田 愛


     冬蝶の舞ひ上がりたるしじまかな      桑原 良



          



     アスファルトに死す冬の蝶乾ききり     大高 翔


     記憶古りて凍蝶の翅欠きやすし       寺山修司


     心臓を押さえた形に冬の蝶         宇多喜代子


     たかだかと冬蝶は日にくだけたる      夏井いつき


     凍蝶に生きてゐたいか問うてみる      櫂未知子


     凍蝶に待ち針ほどの顔ありき        みつはしちかこ


     すれ違うごと凍蝶と曲芸師         対馬康子



          

          もう少しの我慢です 三密を忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 25日

2021-01-25 06:57:09 | Weblog
                     笹鳴・笹子・藪鶯・冬鶯・鶯の子鳴く (三冬)


          笹なき=鶯は冬になると餌を求め、山を下り人里で暮らす。鳴き声の美し い鶯も冬には
          チャッ、チャッ、という地鳴きしかできない。幼鳥 に限らず、冬の鶯の鳴き方はこの地鳴きをする



     笹鳴や満月登る富士の肌          沢木欣一


     笹鳴のまことに稚し焼け山に        細見綾子


     父眠る軍人墓地や笹子啼く         栗田やすし


     息かけて拭く窓硝子笹子鳴く        清水弓月


     奥宮へ七百余段笹子鳴く          矢野孝子


     笹鳴や句碑に夕日の移り来し        国枝洋子


     畑隅に捨て大根や笹子鳴く         武藤光晴


     奥つ城に参る小径や笹子鳴く        青木治子


     供華絶えし遊女の墓や笹子鳴く       関根近子


     尼寺のかんぬき太し夕笹子         中川幸子


     笹鳴や家並見下ろす観世音         奥山ひろみ



          



     笹鳴や昼の暗さの懺悔室          水原春郎


     笹鳴の舌の強さよ藪の中          滝沢伊代次


     千姫の化粧櫓や笹子鳴く          谷中隆子


     笹子鳴く真昼やさしき甲斐の山       飯田龍太


     笹鳴や十能の火を書院まで         大峯あきら


     笹鳴や土に膝つく墓仕へ          岡本 眸


     木の影も笹鳴も午後人恋し         石田波郷



          

          どうぞ三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 24日

2021-01-24 06:53:12 | Weblog
                      雪達磨・雪兎・雪仏・雪像・雪まろげ

     幼子の手に載せてやる雪だるま       栗田やすし


     雪だるま備長炭のへの字眉         上杉和雄


     青草のひとすじ混じる雪まろげ       梅田 葵


     雪うさぎ郵便受にかしこまる        中野一灯


     産土にのつぺらぼうの雪達磨        奥山ひろみ


     門前に背丈のちがふ雪だるま        岩本千元


     雪だるま庭に設けて客招く         牧田 章


     キャンパスの陰に居残る雪だるま      竹長脩行


     雪兎ほのとうす紅夕あかね         山 たけし


     廃校の朝礼台に雪だるま          尾関佳子



          



     雪うさぎ天よりとんで来たるかな      染谷悦子


     おぼえある町なり辻に雪だるま       水原秋櫻子


     雪釣の糸を窓より垂らしけり        片山由美子


     雪兎一夜兎になりすます          宇多喜代子


     分校の子供の数の雪兎           武田孝子


     バスを待ち旅の父子の雪まろげ       太田土男


     朱の盆に載せて丹波の雪うさぎ       草間時彦



          border="0">

          うぞ三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 23日

2021-01-23 06:17:02 | Weblog
                      囲炉裏・炉・炉明かり・炉話

     炉火明り夫婦抱き寝の一と呎(かます)       沢木欣一


     遺墨見て越後炉ばたの灰かぶる          細見綾子


     炉火明かり師の忌近しと思ひをり         栗田やすし


     炉話や嬶座に猫の大欠伸             下里美恵子


     十能で炭火足しゆく囲炉裏かな          鈴木みすず


     炉明りや灰を均して干魚焼く           森垣一成


     本陣の三和土に炉火の煙満つ           藤田岳人


     囲炉裏火やたちまち回る旅の酒          清水弓月


     別珍のたび湯気上ぐる炉の火棚          山下智子


     ジーパンの脚投げ出せり囲炉裏端         江口ひろし


     炉の熾の音無く崩る一人の夜           高橋幸子


     唐からし火天に吊られ炉火赫し          巽恵津子



          



     御住持の炉ばたに話すもの静か          中村吉右衛門


     目をしかむしぼり泪や炉火の酔          阿波野青畝


     眠剤のあとしばらくは炉火のいろ         飯田龍太


     しみじみと杜氏炉話後を引く           平畑静塔


     さりげなく浄土のことも炉辺話          赤谷ちか子


     ながかりし旅の主を炉に囲み           橋本鶏二 


     炉話のあとは荒磯の星を見に           山田弘子




          

          

          どうぞ三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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1月 22日

2021-01-22 06:24:26 | Weblog
                      紙漉・寒漉・楮(三椏)蒸す・楮晒す・紙漉女


     紙漉女稼ぎを問はれ恥ぢらひぬ       細見綾子


     紙漉くや小学校と谷距て          沢木欣一


     峡晴れて楮選る水かがやけり        栗田やすし


     紙漉女なでるごとくに水均す        幸村志保美


     松枯れの薪どんとくべ楮蒸す        中斎ゆうこ


     楮選る一日水に顔映し           栗田せつ子


     寒漉きの紙の白さを眩しめり        宇野美智子


     漉き上がる和紙つややかや吉野晴      小島千鶴


     粗壁に水陽炎や楮選る           都合ナルミ


     神棚へ湯気を吹き上げ楮蒸す        近藤文子


     桶の湯に手を温めては紙漉けり       山崎文江


     一息に剥がす楮の皮匂ふ          奥山ひろみ



          

          



     百漉けば百の祈りや紙漉女         林 翔


     大いなる日めくり紙漉女の上に       辻 桃子


     火の神の棚に湯気上げ楮蒸す        皆川盤水


     妊りて紙漉く乳房冷々と          井筒紀久枝


     一枚を念ずるごとく紙漉けり        山口誓子


     曇り日の水の粘りや紙漉女         宮坂静生


     漉く紙のまだ紙でなく水でなく       正木ゆう子 



          

          

          どうぞ三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

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