( 霜 )
日の出待つ霜の藁塚地に充てり 沢木欣一
犬なでて霜の朝を嫁ぎけり 梅田 葵
大霜の神の庭掃く巫女ふたり 水原 春郎
霜がれの山はだかれり田の前に 飯森杉雨
朝市の桶に溢るる菊の水
幇間の碑の辺落葉のふきだまり
二の酉や勝手知つたる入谷路地
そぞろ寒内より暮るる地蔵堂
一葉忌母にまだある糸切り歯 こころ
伊吹嶺 遠峰集二月号より
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( 白菜 )
白菜に包丁ざくと沈みけり 稲畑廣太郎
雨情忌の詩碑に白菜供へあり 西本一都
白菜を漬けしばかりに暮れゆけり 石田あき子
きしませて白菜漬くる岳颪 池田悦子
( 芹 )
芹摘むと風よりひくくかがまりて 細見綾子
田芹摘む鵜山の裾の水明り 下里美恵子
長城やみんなみさして芹の水 沢木欣一
踏み込んで芹の青さのせめぎあふ 今瀬剛一
( 手袋 )
久々の夕日手袋の手をかざす 細見綾子
待合室手袋の手を組み合はす 清水弓月
はめてみし革手袋の指反らす 深見けん二
手袋の守衛たいくつ体操す 今井千鶴子
( 寒稽古 )
寒稽古子弟の骨を鍛ひけり 河東碧梧桐
噴く山へ拳突き出す寒稽古 谷迫はるえ
天狼をはつしと仰ぎ寒稽古 須佐薫子
掛声の塊り飛ぶや寒稽古 西本明子
( 火鉢 )
火渡りや行者だまりに大火鉢 矢野孝子
足袋あぶる能登の七尾の駅火鉢 細見綾子
あぢきなく灰のふえたる火鉢かな 河東碧梧桐
火鉢あつしギリシャ神話をきかさるる 阿部みどり女
( 向島百花園の冬牡丹 )
積藁の三つある庭や冬牡丹 河東碧梧桐
念力のややに傾ぎし冬牡丹 山田弘子
冬牡丹格子戸暗き民芸館 遠藤比呂志
白といふ色あをみけり冬牡丹 橋本白木
( 蕗の薹 )
蕗の薹見つけし今日はこれでよし 細見 綾子
蕗の薹のせてピアノの蓋くもる 林 徹
ころげ出しごとくに一つ蕗の薹 片山由美子
蕗の薹踏まれて棟木上りけり 江戸一江
( 向島百花園 )
期せずして、勢揃いでした。写真は唐橘百両です
藪こうじ十両
千両
万両
( 梅 )
午前中、仕事の合い間少し時間が出来たので向島百花園に寄る百花園は梅屋敷と呼ばれるほど。数は多くないが梅の種類が多いのです平日の午前とあって人影はまばら、入り口を入るとすでに梅のよい香りがする東屋の日当りのよいところに冬牡丹の鉢が10個ほど見事な大輪に見惚れた
白梅「初雁」
「梅冬至」
梅見とて家を出て来しことたのし
真をとめの梅ありにけり石の上
藪あれば藪にも梅の咲いてゐし
嫁ぎ来て機を習うや藪の梅 細見綾子
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