1月 31日

2025-01-31 05:42:50 | Weblog

                                白梅

 

 

 

 

                     

 

                      初雁

 

 

 

          白梅や包丁を磨ぐ寺男             沢木欣一

 

          白加賀といふ白梅のうすみどり         細見綾子

 

          信篤き三河国人梅真白             栗田やすし

 

          縁切寺出て白梅を振りあふぐ          下里美恵子

 

          山窪に朝の日差しや梅真白           矢野孝子

 

          白梅や頬ふつくらと吉祥天           鈴木みすず

 

 

 

                

 

                  白加賀

 

 

 

          白梅やまなじり寒き多聞天           角川春樹

 

          白梅のあと紅梅の深空あり           飯田龍太

 

          水したたるごとくにしだれ梅の白        野澤節子 

 

          白梅の仄か色めく夕日ざし           林 翔

 

          まばたきに似て白梅の二三輪          朝倉和江

 

          白梅や室千軒の点りそむ            石原八束

 

 

 

                     

 

 

 

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1月 30日

2025-01-30 05:39:32 | Weblog

                       春近し・春隣・明日の春・春まぢか

 

 

 

          春近し雪にて拭ふ靴の泥          沢木欣一

 

          春近し時計の下で眠るかな         細見綾子

 

          春近き研究室を明け渡す          栗田やすし

 

 

 

 

                     

 

 

 

          松の葉に掛かる氷や春隣          河原地英武

 

          農小屋の風入れ替ふる春隣         藤田岳人

 

          春近し赤木の瘤は銅の艶          矢野孝子

 

          護符売りの巫女の緋袴春近し        武藤光晴

 

          干蛸の足まで透くる春隣          国枝洋子

 

          仮縫いのピンは桃色春隣          ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          こまごまと女世帯や春隣          星野立子

 

          パンむしる手に春近き日ざしかな      久保田万太郎

 

          竈辺に塩ちりて春遠からず         能村登四郎

 

          産科とふ名札はたのし春隣         中村汀女

 

          マヌカンに恋のまなざし春隣        土生重次

 

          自転車で鮒来しよ春遠からじ        秋元不死男

 

 

 

                     

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています          

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1月 29日

2025-01-29 06:25:14 | Weblog

                     蕗の薹・蕗の芽・蕗の花・蕗のしゅうとめ

 

 

 

 

                     

 

 

 

          蕗の薹喰べる空気を汚さずに           細見綾子

 

          蕗のたう屈みて摘めり石道寺           栗田やすし

 

          小振りなる渋民村の蕗の薹            都合ナルミ

 

          蕗の薹朴の朽ち葉を持ち上ぐる          矢野孝子

 

          万葉の径にほほけし蕗の薹            服部鏡子

 

          うす味に蕗煮ることも母似かな          鈴木真理子

 

 

 

                

 

 

 

 

          田楽の春随一や蕗の薹              水原秋櫻子

 

          まろびくるものに子の声蕗の薹          林 翔 

 

          ほろ苦き恋の味なり蕗の薹            杉田久女

 

          蕗の薹おもひおもひの夕汽笛           中村汀女

 

          こみあぐる土のあくびや蕗の薹          和田 祥子

 

          蕗の薹旅もひとりの箸を割る           鷲谷七菜子

 

 

 

                     

 

 

 

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1月 28日

2025-01-28 05:21:00 | Weblog

                        日脚伸ぶ   < 季=晩冬 >

 

 

 

           年も明けて、少しずつ日が長くなること。一月も終わりの頃になると、日が長くなったなあという感慨に

           とらわれることがある。冬木の芽もしだいにふくらみ、春が近いことを感じる。

 

 

 

                

 

 

 

          子が居りて花欲し日脚僅か伸ぶ       細見綾子

 

          自転車の弾く小石や日脚伸ぶ        河原地英武

 

          網を干す島の小道や日脚伸ぶ        森垣一成

 

          酢の蔵の小さき天窓日脚伸ぶ        伊藤範子

 

          日脚伸ぶ牛舎に大き猫車          武藤光晴

 

          舎利塔の影淡々と日脚伸ぶ         小田智子

 

 

 

                     

 

 

 

          ひと〆の海苔の軽ろさや日脚伸ぶ      鈴木真砂女

 

          日脚伸ぶ卓に就職情報誌          山本ふく子

 

          ここにまた吾子の鉛筆日脚伸ぶ       中村汀女

 

          すわりても立ちても日脚伸びにけり     久保田万太郎

 

          日脚伸ぶ殊に港の浜通り          松本たかし

 

          かくれんぼ隠れ上手に日脚伸ぶ       丸野 紀子

 

 

 

                     

 

 

 

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1月 27日

2025-01-27 05:27:26 | Weblog

                         ものの芽・草の芽・名草の芽

 

 

 

            春に萌えだす全ての草の芽をいう。春の大地の息吹の現れであり、新しい命の芽生えである。

            名のある草の場合は名草の芽といわれる。 < 季=春 >

 

 

 

          海越えて芽ぐむものなき野のひかり        沢木欣一

 

          川べりの芽木にふれゆく男の子          細見綾子

 

 

 

                

 

 

 

          観音に瀬音高まる芽木の里            栗田やすし

 

          ものの芽に光の雫とどまれり           国枝洋子

 

          竹馬で猿が踏みゆく名草の芽           谷口千賀子

 

          虎御前の墓を囲めり名草の芽           下里美恵子

 

          鉄砲狭間欠けし窪みに草芽ぶく          鈴木真理子

 

          ものの芽の明るさに置く乳母車          福田邦子

 

 

 

                     

 

 

 

          ほぐれんとして傾ける物芽かな          中村汀女

 

          ものの芽のひしとかこみて元興寺         鷲谷七菜子 

 

          神々の意のこまごまと名草の芽          藤田湘子

 

          名草の芽はや芳しき兆しあり           小島左京

 

          つかぬ日のつづく草の芽ぞくぞくと        岸田稚魚 

 

          木の芽草の芽あるきつづける           種田山頭火

 

 

 

                

 

 

 

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1月 26日

2025-01-26 05:22:40 | Weblog

                      冬蝶・冬の蝶・凍蝶・蝶凍つる・越年蝶

 

 

 

                

 

 

 

 

          芥焼く煙のなかの冬の蝶          沢木欣一

 

          越冬の蝶の乱舞や御嶽口          栗田やすし

 

          地下壕を出れば真白き冬の蝶        斎藤真人

 

          草の葉と一枚になり冬の蝶         中川幸子

 

          冬の蝶御穂田へ来て果てにけり       中根多子

 

          影の無き大日時計や冬の蝶         渡辺慢房

 

 

 

                

 

 

 

          旅立つや冬蝶たたす妻の影         秋元不死男

 

          たかだかと冬蝶は日にくだけたる      夏井いつき

 

          アスファルトに死す冬の蝶乾ききり     大高 翔

 

          凍蝶にかゞみ疲れて立上る         星野立子

 

          凍蝶に待ち針ほどの顔ありき        みつはしちかこ

 

          冬蝶のただ美しき疲れかな         阿部完市

 

 

 

                

 

 

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1月 25日

2025-01-25 06:15:03 | Weblog

                            鷽替え神事

 

 

 

          1月25日は菅原道真公の生まれ日と亡くなられた日になります。「いままでのあしきもうそとなり」と、

          幸運を招く鳥「うそ」。前年の「うそ」の人形を神社へ返納して取り替え、1年の幸運を祈る神事となります

          福岡の太宰府天満宮では1月7日、東京の亀戸天神では1月25日

 

 

 

                

 

 

 

          鷽替ふる大き太鼓を一つ打ち        栗田せつ子

 

          鷽替の饌米秋田コマチかな         片山浮葉

 

          手から手へ渦にもまれて鷽替ふる      福田邦子

 

          大修羅に鷽替ふる声届きたり        小柳津民子

 

          鷽替ふる止めの太鼓にどよめけり      河村惠光

 

          鷽替のねんごろに振る御神鈴        近藤節子

 

 

 

                

 

 

 

          吉凶の顔や等しく鷽替へぬ         吉田鴻司

 

          鷽替へてあをき空ある太鼓橋        喜多みき子

 

          鷽替の数だけ福の笑み貰う         中川三千草

 

          病む母の産土神の鷽替へて         能村研三

 

          死にはぐれ嫁ぎはぐれて鷽替ふる      古賀まり子

 

          鷽替や少女の白き手に触れて        永沢達明

 

 

 

                

 

 

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1月 24日

2025-01-24 05:15:51 | Weblog

                      笹鳴・笹子・藪鶯・冬鶯・鶯の子鳴く

 

 

 

            ≪三冬の季語≫山から下りてきた鶯が藪や生垣で舌打ちするような声で鳴くこと

.            鶯は冬になると餌を求め、山を下り人里で暮らす。鳴き声の美し い鶯も冬にはチャッ、チャッ、と

            いう地鳴きしかできない。幼鳥 に限らず、冬の鶯の鳴き方はこの地鳴きである。

 

 

 

                

 

 

 

          笹鳴や満月登る富士の肌          沢木欣一

 

          笹鳴のまことに稚し焼け山に        細見綾子

 

          父眠る軍人墓地や笹子啼く         栗田やすし

 

          奥宮へ七百余段笹子鳴く          矢野孝子

 

          生垣に笹子来てゐる杓子庵         矢野愛乃

 

          笹鳴や句碑に夕日の移り来し        国枝洋子

 

 

 

                

 

 

 

          笹鳴や昼の暗さの懺悔室          水原春郎

 

          木の影も笹鳴も午後人恋し         石田波郷

 

          笹子鳴く真昼やさしき甲斐の山       飯田龍太

 

          千仏のうしろに一鬼笹子鳴く        斎藤梅子

 

          笹鳴の舌の強さよ藪の中          滝沢伊代次

 

          古園荒る冬鴬の端麗に           山口青邨

 

 

 

                

 

 

 

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1月 23日

2025-01-23 05:44:16 | Weblog

                          三寒四温・四温日和

 

 

 

             冬の終わりから春にかけて、寒い日が三日ほど続くと、その後四日間くらいは暖かい日が続くことを

             意味します。

 

 

 

                     

 

 

 

          職引いて『碧百句』読む四温かな      国枝隆生

 

          工事夫が旗振りづめや四温晴れ       大平敏子

 

          四温晴和紙のやうなる昼の月        磯田なつえ

 

          足音に鯉の集まる四温晴          平松公代

 

          四温晴抱かれて眠る晴着の嬰        鈴木まつ江

 

          花の土ひと袋買ふ四温かな         中川幸子

 

 

 

                     

 

 

 

          糠みそへ塩たす三寒四温かな        鈴木真砂女

 

          まぶしさの四温の繭を掌に掬ふ       木村蕪城

 

          日本海けふ力抜く四温かな         辻 桃子

 

          三寒の四温兆しぬ筆買ひに         及川 貞

 

          水は三寒地は四温なる夕景色        能村登四郎

 

          一握の叔母の髪結ふ四温かな        都筑智子

 

 

 

                     

 

 

 

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1月 22日

2025-01-22 05:52:26 | Weblog

                        囲炉裏・炉・炉明かり・炉話

 

 

 

          炉火明り夫婦抱き寝の一と呎(かます)        沢木欣一

 

          遺墨見て越後炉ばたの灰かぶる          細見綾子

 

          銃口の鈍き光や炉火明かり            栗田やすし

 

 

 

                

 

 

 

          炉話や嬶座に猫の大欠伸             下里美恵子

 

          十能で炭火足しゆく囲炉裏かな          鈴木みすず

 

          囲炉裏火が蚕棚くもらす合掌屋          片山浮葉

 

          炉話の接ぎ穂に桑の榾足せり           中野一灯

 

          別珍のたび湯気上ぐる炉の火棚          山下智子

 

          鉄瓶の懸かる囲炉裏や竹戦ぐ           武藤光晴

 

 

 

                     

 

 

 

          御住持の炉ばたに話すもの静か          中村吉右衛門

 

          同門や炉火にこがせる肉の端           石川桂郎

 

          さりげなく浄土のことも炉辺話          赤谷ちか子

 

          火の花を咲かす涅槃の大炉かな          影島智子

 

          眠剤のあとしばらくは炉火のいろ         飯田龍太

 

          目をしかむしぼり泪や炉火の酔          阿波野青畝

 

 

 

                

 

 

 

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