7月 31日

2021-07-31 06:29:56 | Weblog
                       鶏頭・鶏頭花  < 季=秋 >


          鶏頭の花の種類は多いようですが大きく分けて4種類だそうです
          表紙の鶏頭は「とさかけいとう」根岸の子規庵で見た鶏頭はこの種類でした
          そのほか「くるめけいとう」(玉鶏頭)「うもうけいとう」(槍鶏頭)そして野鶏頭です



     鷄頭の十四五本もありぬべし               正岡子規



     鶏頭を三尺離れもの思ふ                 細見綾子


     鶏頭のくれなゐ黒をきはめたる              沢木欣一


     いま漉きし紙鶏頭の庭に干す               栗田やすし


     鶏頭の火の付きさうな一揆村               坪野洋子


     抽んでて鶏頭燃ゆる子規の庭               金田義子


     子規庵の錆びし庇や鶏頭花                鈴木みすず


     倒れたる鶏頭の紅鮮やかに                小田二三枝


     トロ箱に鶏頭咲かせ路地住ひ               江口ひろし


     槍鶏頭洗ひざらしの空を突く               熊澤和代


     ぐい呑みの厚き手触り鶏頭花               石原筑波


     鶏頭がまぶし過ぎると病める人              牧野一古



          



     鶏頭の影地に倒れ壁に立つ                林 徹


     わがために径に縁なす槍鶏頭               山口青邨


     恋果てゝ鶏頭の紅にも無心                鈴木真砂女


     いとけなき鶏頭月光菩薩かな               夏井いつき


     鶏頭の炎え極まりし暗さあり               鷲谷七菜子


     泣く吾子を鶏頭の中に泣かせ置く             福永耕二


     鶏頭も暮れゆく靄をまとひけり              水原秋櫻子


          

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7月 30日

2021-07-30 05:47:01 | Weblog
                       汗・汗ばむ・玉の汗・汗水


     子の髪の汗の匂ひを知りてゐる          細見綾子 


     デモの年汗に腐りし腕時計            沢木欣一


     汗の児のやうやく懐く別れ際           栗田やすし


     汗の目に地獄図の赤あふれたり          矢野孝子


     珠洲の塩味見て汗を拭ひけり           佐藤とみお


     気前よくまけて汗拭く七味売           鈴木みすず


     汗ばめり地下道長き大手町            伊藤範子


     雨の日の赤子抱く腕汗ばめり           小島千鶴


     汗の玉散らし腕振る測量士            三井あきを


     ピアスして若き左官の玉の汗           鳥居順子


     湯上りの児のすぐ汗の児となりぬ         小栁津民子


     溶接工汗の上汗滴らす              ころころ



          



     汗しらずうなじに残し稽古海女          西上禎子


     ひとすぢの流るる汗も言葉なり          鷹羽狩行 


     眼尻に汗ながれこむ訃の一つ           福永耕二


     汗ばみて加賀強情の血ありけり          能村登四郎


     汗の手を気遣ひ乍らわが握手           稲畑汀子


     八人が育ちし乳房汗を拭く            千田とも子


     石を切る身のやはらかく汗を噴く         正木ゆう子



          

               

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7月 29日

2021-07-29 08:21:34 | Weblog
                        朝顔・牽牛花  <季=秋>


     朝顔やまだ濡れてゐる川草履          栗田やすし


     大輪の朝顔に暑のさかりなる          細見綾子


     朝顔の蜜吸つて母忍びけり           上田博子


     朝起きてまづ朝顔の花数ふ           太田滋子


     綾子忌の雨に色増す牽牛花           武田稜子


     朝顔の小ぶりとなりて紺深し          山下 護


     野朝顔からまる岩や自決壕           平千花子


     子規庵のあさがほの青色褪せし         玉井美智子


     鉢植の朝顔並ぶ無人駅             鳥居純子


     朝顔の明日咲く蕾数へけり           小栁津民子


     朝顔の鉢二つ提げ銀座線            森田とみ


     母の庭地を這つて咲く牽牛花          伊藤貴美子


           


           



     朝顔の紺のかなたの月日かな          石田波郷


     朝顔や足袋を持参の稽古事           小川軽舟


     休暇はや白朝顔に雨斜め            中村汀女


     朝顔の今朝もむらさき今朝も雨         水原秋櫻子


     朝顔の紺の向ふの遠伊吹            近藤一鴻


     海の色に朝顔咲かせ路地ぐらし         菖蒲あや


     朝顔や風にさらはれさうな母          鍵和田釉子




          

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7月 28日

2021-07-28 05:33:47 | Weblog
                        打水・水を打つ・水撒く


     水打つて誓子多佳子の句碑濡らす         栗田やすし


     打水のあとの静けさ花街跡            河原地英武


     寺男延命水を打ち水に              都合ナルミ


     路地挟む蔵元水を打ち合へり           佐藤とみお


     水打つて夜の始まる神楽坂            矢野孝子


     旧街道朝の水打つ理髪店             谷口千賀子


     打水や路地に灯の入る先斗町           丹羽一橋


     打水や腹立つときは遠くまで           櫻井幹郎


     打ち水の匂ふ町家の通し土間           長江克江


     打ち水を渡りし風を貰ひけり           渡辺慢房


     山の宿流るるほどに水打てり           廣島幸子


     打水に路地の小石の息づける           高島由也子



          



     打水に小庭は苔の匂ひ哉             正岡子規


     水打つやわが植ゑし樹も壮年に          福永耕二


     水が来て打水ホースの胴震ひ           能村研三


     忘れたきことゝ一途に水を打つ          星野立子


     打水のゆき届きたる祭路地            菖蒲あや


     打水の先のわかれて走り出す           片山由美子


     背信に時効はあらず水を打つ           鈴木真砂女




          

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7月 27日

2021-07-27 05:31:03 | Weblog
                         夾竹桃


         インド原産のこの夾竹桃、葉が竹に似ていること、花が桃に似ていることから夾竹桃と呼ばれます
         (夾竹桃には強い経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう
         注意が必要で花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性がある。 生木を燃やした
         煙も有毒であり、毒成分は強心配糖体のオレアンドリン)知識をサイトからお借りしています



     人妻の眉根夾竹桃憂しと            細見綾子


     夾竹桃咲き連なりて基地隠す          栗田やすし


     堀川の潮の迅さや夾竹桃            武田明子


     夾竹桃赤し野外の原爆展            石原進子


     道の端に無縁の墓や夾竹桃           中村修一郎


     夾竹桃白際立てり投票日            新川晴美



          



     夾竹桃日暮は街のよごれどき          福永耕二


     白は目に涼し夾竹桃さへも           稲畑汀子


     夾竹桃の紅が護りてゐたるかな         平井照敏


     夾竹桃おなじ忌日の墓ならぶ          朝倉和江


     夾竹桃いずくに咲くも被爆の花         安田くにえ


     水着ほす夾竹桃の夕日中            西島麦南


     裏はすぐ運河にほへり夾竹桃          山口青邨



          

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7月 26日

2021-07-26 05:28:19 | Weblog
                       仏桑華・琉球むくげ・ハイビスカス・紅槿(こうきん)・扶桑花


     蘂つたひ露の玉落つ仏桑華             沢木欣一


     断崖へ来て海に投ぐ仏桑華             栗田やすし


     軍機とぶ遙拝の地や仏桑花             平 千花子


     壕出でし目にしむ赤き仏桑花            鈴木みすず


     ひめゆりの塔にハイビスカス捧ぐ          武藤光晴


     原種てふ少し小ぶりな仏桑花            中根多子


     水牛の角に一輪仏桑華               丸山貴美子




          



     ハイビスカス一と日の色を咲き尽す         穂坂日出子


     藍染めの海紅型の仏桑花              鷹羽狩行


     家よりも墓ひろびろと仏桑花            深見けん二


     空灼けてゐねばハイビスカス萎む          後藤比奈夫


     仏桑花愛すとは血を流すこと            橋本榮治 


     太陽へ蕊をあらはに仏桑花             石谷秀子


     島人の血はかくも濃し仏桑花            青柳志解樹



          

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7月 25日

2021-07-25 05:14:56 | Weblog
                       台風・颱風・台風禍・台風過 < 季=秋 >


        北大西洋か南シナ海あたりに発生する熱帯低気圧で、最大風速が約毎秒十七メートル以上のものを言います
        現在台風8号が関東東北に接近中です
        オリンピックが開催されたばかりですが日程や選手の体調に支障が出ないことを祈りたいです



     颱風一過女がすがる赤電話            沢木欣一


     颱風の余波が那須野のきび畑に          細見綾子


     台風裡赤シャツを着てかしこまる         栗田やすし


     台風裡駅で靴より水こぼす            河原地英武


     台風裡水飲んでまた眠りたる           下里美恵子


     来て直ぐに経誦む僧や台風裡           加藤元道


     台風禍鳥居に船の擦れし跡            小長哲郎


     台風禍馬場の老木枝もがれ            平 千花子


     台風裡塩の効きたるにぎり飯           幸村志保美


     籠の鵜の身じろぎもせず颱風圏          藤田岳人


     台風圏江戸川の波さかのぼる           玉井美智子


     夕映えに一村染まる台風過            山本法子



          



     颱風の来る夜も点ず酒売る灯           鈴木真砂女


     力満ちて夜半の雨降る颱風来           相馬遷子


     看護婦の肘のまろさよ颱風過           石田波郷


     台風の中へ覚悟のハイヒール           有坂裕子


     颱風や四肢いきいきと雨合羽           草間時彦


     吃る蝉をり台風の来つつあり           秋元不死男

     ( 今日7月25日が不死男の忌日  明治34年11月3日~昭和52年7月25日 横浜市生まれ
       本名 不二雄 旧号 地平線~東京三~戦後不死男と改める
       昭和16年俳句事件にて検挙、投獄される。昭和23年「天狼」創刊同人。24年「氷海」発行主宰 )




          

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7月 24日

2021-07-24 06:26:03 | Weblog
                       東京オリンピック2020


               昨日東京オリンピック2020が1年遅れで開会されました
               待ち望んだ人々とこのコロナ禍での開催を危ぶみ反対する人々
               様々な意見は有っても始まればオリンピックのために切磋琢磨してきた
               アスリートを応援いたしましょう
               ころころが経験した1960年の前回のオリンピックは10月10日
               秋の大会、オリンピック自体が季語には成りえずせめて競技種目の
               俳句を集めてみました

               ( 今回も多くの写真をサイトからお借りしています )


          


     水泳に太郎二郎を誘ひけり           寺田寅彦


     若き妻水泳焼けの火の躰            辻田克巳


     裸体なる先生胡坐す水泳所           夏目漱石



          



     テニス部に入り忽ち日焼娘に          山田弘子


     テニスの娘水飲みに来る立葵          榊原弘子



          



     サーフィンの浜にレイ編む皺深く        吉岡靖子


     サーフィンの波が捉へし月と富士        森 句城子


     太陽をはらんだ海だサーフィンだ        白澤良子




          



     柔道着二人で絞り草萌ゆる           大串 章


     春光へ叩き干さるる柔道着           加賀見保子




          



     ヨットの帆切つ先揃ふ大海原          西村美枝


     若き四肢ふんだんに使ひヨット出す       桂 信子


     ヨット航く4という字が傾いて         河盛鷹郎




          



     夕焼の間に合うようにマラソン         小泉 静


     マラソンが見ゆ青梅雨の城下町         柴田白葉女


     彎曲し火傷し爆心地のマラソン         金子兜太




          

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7月 23日

2021-07-23 06:04:54 | Weblog
                        大暑


        大暑とは二十四節気のひとつ夏の最後の節気です日付としての2021年の大暑は7月22日。
        期間としての2021年の大暑は7月22日~8月6日までです。
        大暑の食べ物としては鰻と言われていますが天ぷらも夏バテ防止の食べ物として考えられています
        これからまだ暑い日は続きますがこの大暑の期間に暑気あたり・熱中症が多いので改めてご注意下さい



     能登さざえ生きて届きし大暑かな         細見綾子


     洗ひ場の鯉が跳ねたる大暑かな          栗田やすし


     送電線弛みきつたる大暑かな           国枝隆生


     ボンネットバスで往き来や島大暑         岸本典子


     蛇口みな上向いてゐる大暑かな          篠田法子


     靴底に小石くひこむ大暑かな           国枝洋子


     山並みの歪みて見ゆる大暑かな          伊藤旅遊


     前髪の額にはりつく大暑かな           市原美幸


     樅の木に鴉鳴き合ふ大暑かな           荻野文子


     腕に水かけて大暑の刀鍛冶            幸村富江


     裏打ちの糊に水足す大暑かな           長崎真由美


     増水の川ぎらぎらと大暑なる           谷口千賀子



          



     かたちよき濤たちあがる大暑かな         辻 桃子


     じだらくに勤めてゐたる大暑かな         石田波郷


     遠くまで海揺れてゐる大暑かな          飯田龍太


     漆黒のピアノ据ゑたる大暑かも          林 翔


     水晶の念珠つめたき大暑かな           日野草城


     墨ゆたかに下ろす一筆大暑なり          古賀まり子


     大暑なり駄菓子召せよと梧逸翁          水原秋櫻子



          

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7月 22日

2021-07-22 07:46:59 | Weblog
                       扇・古扇・扇子・団扇・渋団扇


     上布着て扇子を帯にさして来し          細見綾子


     岐阜団扇つくる足半窓に吊り           都合ナルミ


     北斎展出て広げたり絹扇子            谷口千賀子


     休業の陶工房に渋団扇              武藤光晴


     白扇の風を貰ひし砂被り             長江克江


     病窓に青き島原うちは風             玉井美智子


     噛みし傷団扇に残し孫帰る            櫻井幹朗


     出番待つ女をあふぐ団扇かな           松井徒歩


     鵜篝の火種を熾す渋団扇             角田勝代


     店先にお香匂へり京扇子             巽恵津子


     鵜篝の火種を熾す渋団扇             角田勝代


     蒲焼の煙を叩く破れ団扇             ころころ



          



     白扇のさみしや霧の峰泊り            秋元不死男


     方言はひとことで足り渋団扇           鷹羽狩行


     一途さが論に勝ちをり白団扇           岡本 眸


     もてあそぶ扇となりて言とぎれ          鷲谷七菜子


     仲見世の口覆の浅き扇店             富安風生


     いつよりを晩年といふ渋団扇           有馬朗人


     ひとり身の灯を消し白き夜の団扇         菖蒲あや



          

          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
        もう少しの我慢です
コメント (6)
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