1月 31日

2014-01-31 01:20:31 | Weblog
                ( 都鳥・百合鴎 )


ゆりかもめ水に羽根打ち胸打ちて             細見綾子


くろがねの橋も幾重や都鳥                 石塚友二


めぐりては水にをさまる百合鴎               石田郷子


かよい路のわが橋いくつ都鳥                黒田杏子


窓際に給仕が白し百合鴎                  鈴木鷹夫


わが波の一つ一つに都鳥                  中村汀女


百合鴎波に浮沈をたのしめり                高橋良子


遅れ翔つ一羽だになし都鳥                 西村和子




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1月 27日

2014-01-26 15:43:46 | Weblog
                  ( 盆梅 )


机二つ盆梅を隔てゝ話す                 正岡子規


盆梅を戸口に並べ理髪店                 石丸泰子


盆梅の枝垂れし枝の数へられ               松本たかし


一軸に盆梅の位置正しけり                村田明子


盆梅を置くや彼方に在るごとく              依光陽子


盆梅を新刊におく書店かな                吉崎礫川


盆梅のさかりの白き夕かな                安藤立詩


盆梅をほめて切出す婚の使者               大口蘇峰


盆梅の開ききつたる通夜の家               本間ミツエ












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1月 24日

2014-01-24 00:50:29 | Weblog
           ( 寒牡丹・冬牡丹 )


地の冷えに牡丹花びらこぼさざる            沢木欣一


赤き花一花大事に寒牡丹                細見綾子


ゆるびつつしろきたましひ冬牡丹             鍵和田釉子


日と月のごとく二輪の寒牡丹               鷹羽狩行


念力のややに傾ぎし冬牡丹                山田弘子


寒牡丹はづかしきまで覗かるる              西村和子


風吹いて花ひろがりぬ冬牡丹               橋本鶏二


透き通る和紙より白し寒牡丹               今井千穂子


花びらに響きのあがる寒牡丹               石原八束












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1月 20日

2014-01-19 22:55:13 | Weblog
                ( 大寒 )


英霊に大寒の雲夕焼けたり                沢木欣一


大寒や耳ほてりして葉書読む               細見綾子


大寒の一戸もかくれなき故郷                飯田龍太


家康の墓大寒の風鳴れり                  梅田 葵


大寒や船に積み込む真水桶                 深谷鬼一


大寒の火は香一つ坐禅堂                  野見山ひふみ


大寒の明日へきちんと枕置く                岡本眸


闇の中今日大寒とだれか言う                宇多喜代子


大寒のぴしりとくるひなき障子               恒川絢子










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1月 19日

2014-01-18 22:20:44 | Weblog
              ( 早梅・梅早し・冬の梅 )



早梅やくちびる朱き童女仏             沢木欣一


冬の梅林すだれの如く日ざし来て         細見綾子


冬の梅つかはず古りしわが袱紗           能村登四郎


早梅の発止発止と咲きにけり             福永耕二


梅早し眠りて赤子昼湯浴ぶ              秋元不死男


早梅やハリスの寺の藁廂               富安風生


身になじむ母の紬や梅早し              小林洋子


湯の町にもう早梅の匂ひあり             星野椿


預けある鼓打ちたし冬の梅              松本たかし






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1月 17日

2014-01-16 22:24:21 | Weblog
                ( 蝋梅・唐梅 )


蝋梅や軍手で磨く父の墓           大橋廸代


蝋梅の香が勝つてをり初稽古         佐々木六戈


蝋梅や畑に人の動き出す           寺崎春子


蝋梅の香のほどけゐし天神社         濱野ユク


蝋梅や枝疎なる時雨空             芥川龍之介


唐梅の香に触れ鎌倉日和かな         志摩知子


蝋梅を挿して床屋の大鏡           中村修一郎







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1月 15日

2014-01-15 06:49:41 | Weblog
                (  小正月・女正月・花正月 )


1月1日の大正月に対して,1月15日を中心にした数日をいい農耕に関する様々な予祝・
年占(としうら)の行事や,鳥追い・どんど焼き・なまはげなどの行事が行われる。二番正月
小豆の入った粥に餅を入れて食べる小豆粥(あずきがゆ)は、僅かな小正月の習慣の名残です


喪の女鎌倉で降り小正月            沢木欣一


夜をこめて大根を煮る小正月          細見綾子


囲炉裏にて馬の豆煮る小正月          滝沢伊代次


真つ白に百合根を煮上げ女正月        矢野孝子


口中にチョコが溶けゆく女正月         太田滋子






餅花や片寄せてある母の床          栗田やすし


餅花をはずませながら飾りけり         荻野杏子


餅花の簪めきてさされたる           下村梅子


蔵元の餅花は白ひといろに           伊藤敬子












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1月 12日

2014-01-12 12:20:17 | Weblog
              ( 水仙・水仙花・野水仙 )


雪嶺晴れ畦の水仙風のなか              沢木欣一


藁と鎌腰に水仙山のぼる               細見綾子


水仙や暮色漂ふて鯉動く                飯田蛇笏


水仙と矢の飛ぶやうな青空と              奥坂まや


野水仙崖きはやかに光揉む               加藤 耕子


野水仙海荒るる日は濃く匂ふ              高橋悦男


抱かねば水仙の揺れやまざるよ             岡本眸


水仙や一碧をなす御座の海               深見けん二


水仙に手相をたれて観世音               野見山朱鳥


水仙に見えぬ雨降る坐禅会               鍵和田釉子










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1月 10日

2014-01-10 01:38:12 | Weblog
             ( 寒菊・冬菊 )


くくられて冬菊の香の衰ふる             栗田やすし


冬菊のまとふはおのがひかりのみ           水原秋桜子


寒菊や風の中なる鏡山                 石原八束


日あたりて冬をさかりの小菊かな            渡辺光子


寒菊を桶いっぱいに切り込みぬ             柴山つや子


冬菊の隙なく群れて光り合ふ              吉田和美


古人形寒菊添へて捨てらるる              大塚とめ子


冬菊や蕪村の墓に飴一つ                松本 進


つつまれし寒菊解けば咲き乱れ             上野章子















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1月 8日

2014-01-07 20:36:38 | Weblog
               ( 寒卵・寒玉子 )


霊場の瀧へ供へし寒玉子               栗田やすし


寒卵二つ置きたり相寄らず               細見 綾子


寒卵コツと割る聖女学院                秋元不死男


寒卵狂ひもせずに朝が来て               岡本眸


硝子戸に濤の攻め来る寒卵               鍵和田釉子


寒玉子一つ両手にうけしかな              久米三汀


ほのと影しあうて二つ寒卵               長谷川櫂


やはらかき影の上なる寒卵               片山由美子


寒卵つつみし広告拾ひ読む               よこいみどり



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