10月 31日

2012-10-30 23:23:47 | Weblog
             ( 唐辛子・なんばん・鷹の爪 )



今日も干す昨日の色の唐辛子          林 翔


流民となりて舌焼く唐辛子            鍵和田釉子


曲り家に干されて赤し唐辛子          川越蒼生


きび~と爪折り曲げて鷹の爪           村上鬼城


バザールの砂塵まみれの鷹の爪         山下智子






伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



蔵の軒竿一本に鷹の爪             森田とみ


合掌家軒に吊るせし唐辛子           鳥居純子


風に鳴る窯場の軒の唐辛子          八尋樹炎


鷹の爪吊す軒端に憩ひけり           牧 啓子




      伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp     
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10月 30日

2012-10-30 00:51:06 | Weblog
             ( 木の実 )


人気なき不破の関跡木の実落つ         栗田やすし


一遍像光るまなこに木の実落つ         細見綾子


よろこべばしきりに落つる木の実かな       富安風生


妻の手に木の実のいのちあたたまる        秋元不死男


店を守る島の女に木の実降る            星野椿






伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



火焔塚拝む木の実に打たれつつ         都合ナルミ    


撫子句碑抱く里山木の実降る          矢野愛乃


木の実降る姫街道に耶蘇の墓          伊藤範子


木の実落つ三角形の櫓跡             菊池佳子


拓本の墨の湿りや木の実落つ          玉井美智子



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10月 29日

2012-10-28 22:11:04 | Weblog
             ( 茶の花 )



日を恋ふるこれからか茶の花を挿し         細見綾子


願成就院まで茶の花の匂ふ道            下里美恵子


茶の花にほのとゆくての夕がすみ           飯田龍太

 
茶の花のころがつてをる甃               富安風生


紬織る里は茶の花ごもりかな              古賀まり子







伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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茶の花や絵馬剥落の舞楽殿              近藤文子


茶の花が咲けり芭蕉の故郷塚             小島千鶴


茶の花の咲きつぐ垣や尼の寺             廣島幸子



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10月 28日

2012-10-28 01:35:52 | Weblog
         ( 稲架・稲棒<ぼつち>稲掛・田母木・はさ )


稲架襖裾の越後の子守唄          細見綾子



綾子先生のこの句に惹かれ9月の或る日思い立って日帰りの一人旅をしてきました
新幹線、信越本線を乗り継いで柏崎へ、越後線は柏崎から新潟まで全線単線の列車です
柏崎の乗り口は0番線ホームから、初めて0番線ホームも体験しました
新潟までの約85キロ日本海側を走っています
新潟に向って車窓左はずっと日本海、右は稲架襖が幾重にも、晩生の稲穂の波と日本海の波と
挟まれ句作の意欲の湧く景色でした


黄金の風の生まれる稲架襖            伍賀稚子


海光のあまねき稲架を組み進む         水原 春郎


出で立ちは郷士のさまに群稲棒(むれぼっち)  高澤良一





棒稲架


棒稲架の今年の数となりにけり        細川加賀


群稲棒一揆のごとく雨に佇つ         角川源義


棒稲架の影つきささる開墾田         植田 桂子



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10月 27日

2012-10-26 23:39:03 | Weblog
              ( 棉・棉吹く・棉の桃 )



細々暮らす人が作りしか畑の棉        細見綾子


紡げよと棉ことごとく吹く荒地          正木ゆう子


基督に肖し横顔が棉摘みに           平井さち子


峡の雲棉吹く雨をこぼしけり           富岡計次


ブラジルの広さは知らず棉を摘む        森田峠


二つ三つ棉吹く学級花壇かな          高須禎子




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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棉の実の一つ弾けし白さかな          武山愛子


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10月 26日

2012-10-26 01:03:51 | Weblog
            ( 薄紅葉 )


蔵出しの酒の匂へるうすもみぢ       細見綾子


神籬を走れる蔦も薄もみぢ          岸風三楼


御所桜薄紅葉して岬寺            安田千夜子


苔庭に冷雨たたへてうすもみぢ        飯田蛇笏


薄紅葉マリアの像を島うらに          飯塚樹美子






伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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野仏の並ぶ坂道薄紅葉             藤田英子


初紅葉美濃と近江をひと跨ぎ          上杉和雄


たたなはる山に朝日や初紅葉          谷口千賀子


死者の丘紅葉初めたり火出樹(くわでーし)   倉田信子



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10月 24日

2012-10-24 00:48:49 | Weblog
            ( 磯菊・浜菊 )



島抜けの跡磯菊に日の薄し           磯崎兼久


磯菊や釣人あまたゐる日和           山口富美子


磯菊やわづかな魚を板に干し          松岡隆子


磯菊の汐傷みして黄の名残           高澤良一






浜菊


浜菊に海嘯(つなみ)は古き語り草        富安風生


浜菊の白一色のいさぎよし            八牧美喜子


浜菊や瀬戸の渦潮激ち合ふ            河本好恵


浜菊や流人小屋めく鵜捕り小屋          嶋崎専城



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10月 23日

2012-10-22 23:16:14 | Weblog
              ( 秋刀魚 )


火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり         秋元不死男


風の日は風吹きすさぶ秋刀魚の値          石田波郷


別々にもどり秋刀魚の一つ灯に            中山純子


紀の国のお頭つきの秋刀魚鮨             赤松郁代


塩秋刀魚おのが油の火に焼かる           きくちつねこ


ぼうぼう焼く男盛りの青秋刀魚             武田和郎




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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無愛想は薩摩の気風秋刀魚焼く         齋藤眞人


頭を揃へ葉蘭に並ぶ初さんま          佐藤とみお


スコップで秋刀魚の箱へ氷投ぐ         鈴木みすず


秋刀魚焼く火伏せの護符を煙らせて       坪野洋子



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10月 22日

2012-10-21 23:36:13 | Weblog
            ( 蓼の花・犬蓼・赤のまま )



赤ままの花の濃くして去り難し        細見綾子


大溝の名残こゝにも蓼の花           久保田万太郎


蓼の花草末枯れて水白し            河東碧梧桐


根路に雲助の碑や赤のまま           新川晴美


老人に童心のふと蓼の花            飯田龍太







伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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陶土掘る泥にまみれし蓼の花          武田稜子


赤のまま活くる丹波の小さき壺         服部満代


牧水碑前うす紅の蓼の花             巽 恵津子




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10月 21日

2012-10-21 01:26:43 | Weblog
            ( 石蕗の花・つはぶき<季=冬> )



石蕗卑し湯屋の煙の一すじに          沢木欣一


石蕗の花の大株昔のまま             細見綾子






蝶の黄を淡しと思ふ石蕗の花           五十嵐播水


石蕗の花言葉短くあたたかく            林 徹


筆塚へ茎かたむけて石蕗の花           荒井正隆


石蕗の花膝を掴みて跼みけり            岡本眸


石蕗咲くや裏口に入る母のみち          小檜山繁子



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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徳川の蔵書の匂ひ石蕗の花            栗田せつ子


潮目濃き岬日和や石蕗の花            坪野洋子


石蕗日和窯小屋で聴くジャムセッション      矢野孝子


尼寺の飯噴く匂ひ石蕗の花             中川幸子




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