（ 辛夷と桜の空 ）
傷ついた数だけ優しく弥生尽 関口ひろ子
ずる休みしたき空なり弥生尽 岸本マチ子
大屋根に春空青くそひ下る 高浜虚子
春空やけむりとならむ大思い 永田耕衣
（ 連翹 ）
早いもので、今年もあと２７６日？・・４月のはじめ頃は晩春だったはず。
仕事で多摩（東京都下）へ出かけ，AM７時～１０時まで雪でした。
桜は３～４分咲き、桃や連翹や雪柳の花が盛りのときに雪が降っています。
東京に生まれ育ったころころもこの景色は記憶にありません。
これは異常気象に入るのでしょうか？
連翹や焼杭を打つ宇治の院 沢木欣一
雨の中連翹の黄の流れだす 長谷川 櫂
白湯とうに冷め連翹の空深し 菅原鬨也
連翹や蛭ケ小島は石ばかり 林 徹
行き過ぎて尚連翹の花明り 中村汀女
（ 蓮華草・げんげん・げんげ・五形花・紫雲英 ）
紫雲英野の道たかまりて川跨ぐ 清崎敏郎
睡る子の手より紫雲英の束離す 橋本美代子
飛鳥路をゆくやとぼとぼ蓮華草 村井一子
やはらかに萎えたる花やげんげ束 星野立子
（ 花海棠・海棠 ）
海棠の咲き終る迄うつむける 木村 草女
花海棠散りこむ犬のミルク壷 芝 由紀
海棠や道化ごころは神父にも 鷹羽狩行
海棠や旅籠の名さへ元酒屋 水原秋櫻子
（ 枝垂れ桜 ）
六義園の枝垂れ桜が咲き出しました。
土日は２０分ほど並ばなければ入園できません。
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index031.html
夕ざくら千手さしのべ枝垂れけり 荒井正隆
師のさくら吹かるゝために枝垂れたり 岸風三樓
朝夕の真ん中枝垂れ桜かな 蓬田紀枝子
枝垂れ桜加茂の流れに指濡らし 播川あきら
（ 蕨 ）
採りためて日の匂ひ満つ蕨かな 八木絵馬
七彩の山の日に触れ蕨出づ 岡田日郎
早蕨の挙もたげし古戦場 長谷川みね子
丘にきて風のうごかす蕨摘む 秋元不死男
（ 雪柳 ）
雪柳花みちて影やはらかき 沢木欣一
雪柳ふぶくごとくに今や咲く 石田波郷
雪柳いま満開の重さかな 田中一生
野良猫の揺らして通る雪柳 脇本幸代
（ 初桜 ）
ころころの散歩コースの東京大仏の桜も開花しました
今日はいい写真が撮れたような気がします（自己満足）・・俳句的景色
季語と物語の関係はこんな感じがいいように思うのです。
人はみななにかにはげみ初桜 深見けん二
いちにちのはじまる冷えの初桜 岡本眸
初花の寺に四五人女客 有働 清一郎
初花の薄べにさして咲きにけり 村上鬼城
（ ゆすら梅 ）
東京では昨日２２日桜の開花日となりました。桜もそうですがこのゆすら梅の花を
見ると本当に春を感じます
今日は桜の写真を撮りに行こうと考えていますが何だかお疲れ気味のころころです
ゆすら梅まばらに咲いてやさしけれ 国松松葉女
鳥が眉逆立てて食ふゆすら梅 櫛原希伊子
受話器手に何でも脚色ゆすら梅 近藤三枝子
（ 春の野 ）
春の夢のごとく娘が嫁くと言ふ 鈴木鷹夫
独り言
２０日中に書いています。いよいよ娘が嫁ぐ日がきた。
この日を待っていたような、恐れていたような。
句を得ようと思っても主観ばかり。 修業が足らない。
祝婚の鐘頭上より風光る
