11月 30日

2023-11-30 06:02:10 | Weblog
                            冬紅葉・冬の紅葉



          冬紅葉燃ゆる彼方の仏かな         細見綾子


          地に触るるばかりや御所の冬紅葉      河原地英武


          日蓮の法難の地や冬もみぢ         武藤光晴


          冬紅葉木洩れ日受くるマリア像       鈴木みすず


          冬紅葉午後の日ざしに透かしみる      大平敏子


          藤原の栄華そのまま冬紅葉         ころころ




                  



                  



          なお燃ゆる色を尽して冬紅葉        稲畑汀子


          佗び寂びの極みの朽ちや冬紅葉       林 翔


          冬紅葉日陰日陰へ水はしり         能村登四郎


          冬紅葉擁かれつ蹤きつ女の身        石田波郷


          一人にも動くゴンドラ冬紅葉        岡田順子


          弱まりし日にもときめく冬紅葉       西村和子
 




                  



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11月 29日

2023-11-29 06:10:31 | Weblog
                         焼薯・焼薯屋・石焼薯



          焼藷屋軍手脱ぎたる手も黒し        河原地英武


          藷焼いて田の神迎ふ飛騨の里        奥山ひろみ


          焼薯やはづれ馬券につむじ風        古賀一弘


          懐に焼き芋入れて父帰る          河村惠光


          焼藷を水でさまして食ぶる猿        高橋孝子


          路地奥にリヤカー止めて焼いも屋      山本法子




                  



                  



          石焼藷銀の匙もてすくへるよ        山口青邨


          ころがつて出る焼藷の黒だるま       辻田克巳


          いつも来る浮羽訛の焼藷屋         牧 月耕


          焼藷の湯気見てとほる東大寺        岸本尚毅


          焼藷を二つに割つてひとりきり       西野文代


          ゆつくりと売声曳きて焼藷屋        立野もと子




                  



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11月 28日

2023-11-28 06:20:16 | Weblog
                          干大根・懸大根・大根干す



          干し大根海鳴りいつもそこで聞く        細見綾子


          大根干す伊吹の風の通り道           栗田せつ子


          並べ干す大根匂ふ湖北晴            岸本典子


          縁日に買ふ藁干の凍み大根           若山智子


          干されたる大根縮む荒筵            渡辺慢房


          大根干す浜の風攻め天日攻め          ころころ




                  



                  



          干大根出水のものは干しをへて         林 翔


          海に向く干大根の丈短か            菖蒲あや 


          一村が懸大根の中にあり            杉村義昭


          大根干す土蔵の紋の仮名一字          鍵和田釉子


          真白な干大根の一日目             太田土男


          富士山に竿を渡して大根干す          上道直美




                  



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11月 27日

2023-11-27 06:53:23 | Weblog
                        冬の空・寒空・寒天・冬天・凍空



          冬空に堪へて女も鱈を裂く         細見綾子


          冬天へ願ひの鐘をひとつ撞く        岸本典子


          寒空のワゴンセールや古書の市       森垣一成


          冬天に舞ふオーロラの弓なりに       都合ナルミ


          凍空へ貨車連結の音響く          鈴木みすず


          地下鉄を出でて四角い冬の空        久保麻季




                  



                  



          冬青空枝々個性鮮かに           林 翔


          冬天に三日月若き色濁さず         野沢節子 


          冬空の溢れて黒き河口かな         山田みづえ


          冬空の鋼色なす切通            大野林火


          かげりなき冬青空にたのみあり       中村汀女


          いつとなく葡萄の国も冬の空        飯田龍太




                  



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11月 26日

2023-11-26 07:04:15 | Weblog
                            冬苺・寒苺



          山歯朶に添へたる赤き冬苺         細見綾子


          春雷句碑蔓ごと供ふ冬苺          栗田やすし


          冬苺一粒づつに日のぬくみ         牧 啓子


          裏山に轟く沢や冬苺            矢野愛乃


          いつまでも白き便箋冬苺          渡辺慢房


          冬苺弁当箱に持ち帰る           鈴木華子




                  



          波荒れてゆらぐ利島や冬苺         水原秋櫻子


          寒いちご親子四人の匙の音         福永みち子


          冬苺つまむ小さき指ゑくぼ         中村ふみ


          冬苺引けば枯山やや動く          野沢節子


          嫁ぐ娘とつぶす銀匙冬いちご        楠本憲吉


          尻重の益子の碗や冬いちご         川原游巴




                  



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11月 25日

2023-11-25 06:22:51 | Weblog
                         枯蓮・蓮の骨・枯はちす



          暖かき枯蓮の色日暮れても            沢木欣一


          山積みの蓮の骨焚く輪中村            国枝隆生


          夕ぐれの風吹けば鳴る蓮の骨           下里美恵子


          蓮枯れて水面の空の細切れに           伊藤範子


          放生池くの字に曲る蓮の骨            廣島幸子


          枯はちす音符のやうな影ゆるる          小澤明子




                  



          氷るには美しかりし蓮の骨            吉田鴻司


          枯蓮や夕日が黒き水を刺す            鷲谷七菜子


          枯蓮のうごく時きてみなうごく          西東三鬼


          幾百を刺さつて抜けず枯蓮            木村日出夫


          蓮枯れて何でも映る水のいろ           黒田杏子


          蓮枯るる弁才天は燭あまた            山口青邨




                  



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11月 24日

2023-11-24 05:28:31 | Weblog
                            実南天・南天の実



             南天の花は6~7月ころ六弁の白い花を付けて、10月ごろ結実し翌年春まで残り枝先に群がった実は
             晩秋から初冬に真っ赤に色づく。「難を転ずる」に通じることから、鬼門や水周りに植え る事が多いのです




          南天の実に惨たりし日を憶ふ          沢木欣一


          雪踏んで鵜塚に供ふ実南天           栗田やすし


          実南天町家に残る屋敷神            日野圭子


          井戸蓋に難点の実の散りこぼれ         中山ユキ


          実南天蔵に出入りの藁草履           栗田せつ子


          艶やかや馬籠峠の実南天            角田勝代




                  



          しぐれたるあとの日が射し実南天        鷲谷七菜子


          実南天十二神将眉あげて            野澤節子


          存命の父母を軽んず実南天           正木ゆう子


          実南天二段に垂れて真赤かな          富安風生


          長命寺の尾長鳥けふ来ず実南天         石田波郷


          南天の実太し鳥の嘴に             高濱虚子




                  



                  

                     ( 南天の花 )


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11月 23日

2023-11-23 07:04:37 | Weblog
                         一葉忌・樋口一葉の忌日



             小説家・歌人として明治期に活躍した樋口一葉(1872~1896)の忌日母と妹を養いながら小説家として
             立つ決意をし、半井桃水の指導を受けながら、『闇桜』『たま襷』『別れ霜』『五月雨』などの小説を
             執筆した。『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』など今も読み継がれる作品や多くの
             和歌を残している。本名 奈津 24歳8か月の短い生涯でした
             奇しくも今日は勤労感謝の日 昔も今も女性は良く働きました




                    

                    千束稲荷神社の境内にある一葉文学碑



          荷札小さき古本届く一葉忌            栗田やすし


          一葉忌暗き三和土のしみ抜き屋          矢野孝子


          竹筒に禿びたる小筆一葉忌            佐藤とみお


          百円で甘酒飲めり一葉忌             栗田せつ子


          包丁で削る鉛筆一葉忌              荻野文子


          一葉忌母にまだある糸切り歯           ころころ




                  


                  

                    一葉が18歳から21歳まで住んでいた本郷菊坂に生活用水として使っていた井戸
                    一葉井戸と呼ばれています




          歌反古もおろそかならず一葉忌          水原秋櫻子


          酒すこし甘しと思ふ一葉忌            有馬朗人


          頼まれし妻の足袋買ふ一葉忌           福永耕二


          おはじきに入れて貰ひぬ一葉忌          服部くらら


          廻されて電球ともる一葉忌            鷹羽狩行


          一葉忌つめたき酒にきりかへて          黒田杏子




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11月 22日

2023-11-22 06:54:42 | Weblog
                           枯蟷螂・蟷螂枯る



             蟷螂は、あたりが枯れゆくに従って保護色の枯葉色に変わってゆ く。しだいに生気もなくなりやがて死に
             至りこの様態を蟷螂枯 るといいます




          疑えば卓の蟷螂褐色に           沢木欣一


          手を合はせ行き所なき枯蟷螂        細見綾子


          枯れてゆく蟷螂すがる指の先        栗田せつ子


          人の顔して蟷螂の枯れゐたり        下里美恵子


          蟷螂の枯れて日向に仁王立ち        伊藤旅遊


          つまみあぐ枯蟷螂のみどりの目       武山愛子




                  



          一条のみどり残れる枯蟷螂         横山房子


          逆しまにポストをのぞく枯蟷螂       尾沼チヨ子


          太陽に枯蟷螂のパントマイム        橋本美代子


          雨が降る枯蟷螂の目玉かな         鈴木伸一


          枯蟷螂生きる証の斧動く          栗山妙子



            枯蟷螂落ちても構ふ石の上         山口草堂



                  



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11月 21日

2023-11-21 06:00:38 | Weblog
                               冬桜



             晩秋から冬咲く桜の事・冬桜は十一月から翌年一月にかけて咲く白色の一重咲きで花も木も小さい
             (寒桜は緋寒桜のことで彼岸桜の変種)まれに八重も有るようです



          久遠寺の庭にかそけき冬桜         栗田やすし


          山林に一樹明るき冬桜           中山敏彦


          戦闘機低く飛ぶ町冬桜           国枝隆生


          秩父路の札所巡りや冬ざくら        花村すま子


          冬桜淡々として影持たず          上田博子


          冬桜咲きて天守の影やさし         金田義子




                  



          つくづくと淋しき木なり冬桜        角川春樹


          冬桜三十畳を拭きあげて          夏井いつき


          つぶやきの息にくもれる冬桜        上田日差子


          舞うほどの花びら持たず冬桜        宇咲冬男


          日の差して赤子の匂ふ冬桜         古見史子


          母癒えて言葉少なや冬桜          岡田日郎




                  



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