11月 30日

2024-11-30 04:55:50 | Weblog

                           冬紅葉・冬の紅葉

 

 

 

                     

 

 

 

          冬紅葉燃ゆる彼方の仏かな         細見綾子

 

          地に触るるばかりや御所の冬紅葉      河原地英武

 

          冬紅葉木洩れ日受くるマリア像       鈴木みすず

 

          にごりえの褪せし原稿冬紅葉        伊藤登美江

 

          昨夜の雨湛へ輝く冬紅葉          武藤けい子

 

          藤原の栄華そのまま冬紅葉         ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          冬紅葉海の十六夜照りにけり        水原秋櫻子

 

          佗び寂びの極みの朽ちや冬紅葉       林 翔

 

          冬紅葉糸切つて歯を確かむ         鍵和田釉子

 

          一人にも動くゴンドラ冬紅葉        岡田順子

 

          ぬるき湯に長湯してをり冬紅葉       有働 亨

 

          人迎ふ言葉温めて冬紅葉          岡本 眸

 

 

 

                     

 

 

 

                     サイトから一部資料・写真お借りしています           

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11月 29日

2024-11-29 04:33:01 | Weblog

                       日向ぼこ・日向ぼつこ・日向ぼこり

 

 

 

                     

 

 

 

          耳遠くなりしと母の日向ぼこ          栗田やすし

 

          クッキーのかけらが膝に日向ぼこ        梅田 葵

 

          屋根の上猫うす目して日向ぼこ         花田紀美子

 

          働きし海見て海女の日向ぼこ          森田とみ

 

          繕ひの針の手休め日向ぼこ           太田滋子

 

          竿売の声を間遠に日向ぼこ              ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          日向ぼこ日向がいやになりにけり        久保田万太郎

 

          日向ぼこせる老い父の長睫毛          大石悦子

 

          欲ばりな嫗いつまで日向ぼこ          黒田杏子

 

          人でなくなるだんだんに日向ぼこ        奥坂まや

 

          人間が猫に加はり日向ぼこ           山田弘子

 

          ここに母居たらと思ふ日向ぼこ         下村常子

 

 

 

                

 

 

 

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11月 28日

2024-11-28 06:19:24 | Weblog

                          蒲団・掻巻・蒲団干す

 

 

 

                

 

 

 

          蓮田より日にふくれたるふとん見ゆ     細見綾子

 

          若き日の母の温みや干蒲団         栗田やすし

 

          蒲団干す姥捨山の真向かひに        都合ナルミ

 

          路地の日の移り易さよ蒲団干す       関根切子

 

          家康を匿ひし寺布団干す          森 靖子

 

          蒲団干し返して軽き陽のにほひ       桜井貞子

 

 

 

                     

 

                     平林寺濡れ縁の座布団干し

 

 

          村々を眺めて叩く冬布団          飯田龍太

 

          主婦若し布団叩きの音高く         林 翔

 

          ありたけの蒲団干されて行者宿       藤本安騎生

 

          夜具蒲団かむり聞きゐる子守唄       上野 泰

 

          なつかしき炬燧蒲団の木綿縞        富安風生

 

          僧堂のたたみて薄き蒲団かな        佐藤うた子

 

 

 

                

 

 

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11月 27日

2024-11-27 05:13:20 | Weblog

                         鳰、にお、一丁潜り、かいつむり

 

 

             湖や沼に棲み、水に潜っては浮き上がってくる。毛糸玉のような小型の水鳥 

             冬の季語です

 

 

 

                

 

 

 

          世の寒さ鳰の潜るを視て足りぬ       沢木欣一

 

          首ふつて浮巣に遠きかいつぶり       栗田やすし

 

          鳰潜り逆さ伊吹の濃くなれり        中川幸子

 

          城囲む碧き流れや鳰の声          利行小波

 

          浮きてすぐ潜れり雨のかいつぶり      久野和子

 

          にほどりの鳴くたび湖面暮れゆけり     坪野洋子

 

 

 

                

 

 

 

          一条の洩れ日を鳰のふり返り        能村登四郎

 

          物思ふ鳰かも遂に潜らざる         林 翔

 

          水底の日暮見て来し鳰の首         福永耕二

 

          浮かび出て遠き日向や鳰          山田弘子

 

          波光るとき鴨いづこ鳰いづこ        稲畑汀子

 

          かいつむり浮くたび遠くなつてゆく     石井とし夫

 

 

 

                

 

 

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11月 26日

2024-11-26 05:35:03 | Weblog

                        柊の花・ひひらぎの花・花柊

 

 

 

 

                     

 

 

 

          柊挿す若狭の水の通ふ井戸          沢木欣一

 

          柊の花を見し目や眼帯す           細見綾子

 

          赤子見に花柊の路地ぬくる          武田稜子

 

          ひひらぎの香れる朝子は母に         若山智子

 

          柊の花こぼれ継ぐ窯場径           幸村志保美

 

          花柊術後の息をそつと吸ふ          金原峰子

 

 

 

                     

 

 

 

          柊の花や間遠に機の音            兼久ちわき

 

          花柊だれもが風の強さいふ          鍵和田釉子

 

          柊の花も蕾も銀の粒             橋爪巨籟

 

          花柊散る静かさの水屋窓           石川桂郎

 

          香の強き花柊にして古木           高濱年尾

 

          ひひらぎの花こまごまと幸不幸        鷹羽狩行

 

 

 

                     

 

 

 

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11月 25日

2024-11-25 05:27:35 | Weblog

                           冬薔薇・冬の薔薇

 

 

 

 

                     

 

 

 

          待つ人あり睫毛の影と冬の薔薇          沢木欣一

 

          冬薔薇日の金色を分かちくるゝ          細見綾子

 

          下町や都電の柵に冬の薔薇            武藤光晴

 

          農学部冬薔薇束で売られをり           太田滋子

 

          保育器の嬰が微笑めり冬薔薇           横井美音

 

          冬の薔薇ピアノの上に夜会かな          ころころ

 

 

 

                     

 

 

 

          冬薔薇にもう泣かぬ顔あげにけり         鈴木真砂女

 

          冬薔薇石の天使に石の羽根            中村草田男

 

          かりそめの色にはあらず冬薔薇          片山由美子

 

          銀座には銀座の生活冬薔薇            高木晴子

 

          一日の汚れが爪に冬薔薇             二村典子

 

          冬薔薇や仕事で逢ひて好きな人          岡本 眸

 

 

 

                     

 

 

 

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11月 24日

2024-11-24 05:21:22 | Weblog

                         落葉・落葉山・朴落葉ほか

 

 

 

 

                     

 

 

 

          頬杖の卓屋根滑る夜の落葉         沢木欣一

 

          朴落葉少しの風に遠く飛ぶ         細見綾子

 

          音立てて踏む子規庵の柿落葉        栗田やすし

 

          城跡へ踏むたび匂ふぬれ落葉        岸本典子

 

          朴落葉はりつく雨後の石畳         伊藤範子

 

          堆き銀杏落葉の明るさよ          武藤光晴

 

 

 

                

 

 

 

          むさしのの空真青なる落葉かな       水原秋櫻子

 

          わがための珈琲濃くす夜の落葉       福永耕二

 

          ニコライの鐘の愉しき落葉かな       石田波郷

 

          つくづくと落葉つもりて象潟や       鷲谷七菜子

 

          からからと落葉追ひ来て追ひ越しぬ     星野立子

 

          手が見えて父が落葉の山歩く        飯田龍太

 

 

 

                     

 

 

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11月 23日

2024-11-23 04:56:29 | Weblog

                          一葉忌・樋口一葉の忌日

 

 

 

             今日23日は小説家・歌人として明治期に活躍した樋口一葉(1872~1896)の忌日

             母と妹を養いながら小説家として立つ決意をし、半井桃水の指導を受けながら、

             『闇桜』『たま襷』『別れ霜』『五月雨』などの小説を執筆した。『大つごもり』『たけくらべ』

             『にごりえ』『十三夜』など今も読み継がれる作品や多くの和歌を残している。

             本名 奈津 24歳8か月の短い生涯でした

 

 

 

                

 

 

 

          針山に小さき抽斗一葉忌             栗田やすし

 

          一葉忌暗き三和土のしみ抜き屋          矢野孝子

 

          竹筒に禿びたる小筆一葉忌            佐藤とみお

 

          百円で甘酒飲めり一葉忌             栗田せつ子

 

          一葉忌出さずじまひの恋の文           幸村志保美

 

          一葉忌母にまだある糸切り歯           ころころ

 

 

 

                    

 

                     千束稲荷神社の境内にある一葉文学碑

 

 

 

          歌反古もおろそかならず一葉忌          水原秋櫻子

 

          霧の香のなかの菊の香一葉忌           飯田龍太

 

          一葉忌折目を六ツに薬包紙            秋元不死男

 

          おはじきに入れて貰ひぬ一葉忌          服部くらら

 

          昏れ際の露地に豆腐屋一葉忌           菖蒲あや

 

          頼まれし妻の足袋買ふ一葉忌           福永耕二

 

 

 

                     

 

             一葉が18歳から21歳まで住んでいた本郷菊坂に生活用水として使っていた井戸

             一葉井戸と呼ばれています

 

 

 

                

 

 

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11月 22日

2024-11-22 05:32:51 | Weblog

                         干大根・懸大根・大根干す

 

 

 

 

                

 

 

 

          干し大根海鳴りいつもそこで聞く        細見綾子

 

          大根干す伊吹の風の通り道           栗田せつ子

 

          並べ干す大根匂ふ湖北晴            岸本典子

 

          潮風や稲架棒高く大根干す           長谷川つゆ子

 

          縁日に買ふ藁干の凍み大根           若山智子

 

          庭木まで大根掛けし杣家かな          中津川幸江

 

 

 

                

 

 

 

          停車場の柵にも大根干せるころ         久保田万太郎

 

          干大根出水のものは干しをへて         林 翔

 

          大根干す土蔵の紋の仮名一字          鍵和田釉子

 

          真白な干大根の一日目             太田土男

 

          一茶記念館々長宅の掛大根           黒田杏子

 

          北国の透きとほるまで大根干す         野原昭子

 

 

 

                     

 

 

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11月 21日

2024-11-21 04:47:29 | Weblog

                    北風(きた)・冬の風・朔風・寒風・大北風

 

 

 

                

 

 

 

             北風(ならひ)(きた) 東日本の太平洋側で吹く冬の季節風。地方によって風向が異なる。

             関東ではおもに北東の風をいう。

 

 

 

          友の子や眉宇父に似て寒風へ           細見綾子

 

          寒風に垂るボロボロの旧軍旗           栗田やすし

 

          北風に火種飛ばされ登呂遺跡           河原地英武

 

          海へ出る北風の鳴りづめ兵舎跡          国枝隆生

 

          荒北風に飛ぶ拝願所の紙線香           都合ナルミ

 

          北風強し耳ふせて犬ひた走る           藤田映子

 

 

 

                     

 

 

 

          獄の門出て北風に背を押さる           秋元不死男

 

          田を移るたびに北風つよき谷           飯田龍太

 

          抱き止めて北風匂ふ子の旋毛           西村和子

 

          寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ           杉田久女

 

          寒風に顔ちぢまりて吾子戻る           中嶋秀子

 

          北風をゆけばなけなしの髪ぼうぼうす       金子兜太

 

 

 

                

 

 

 

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