2月 19日

2019-02-18 15:37:39 | Weblog
                    牡丹の芽・芽牡丹




     武蔵野の土やはらかし牡丹の芽          栗田やすし




     牡丹の芽筆ほどといふしか思ふ          細見綾子




     早起きの妻のけはひや牡丹の芽          沢木欣一




     遠き日や綾子の庭の牡丹の芽           国枝隆生




     人気なき山の御堂や牡丹の芽           松平恭代




     忌を修す母の牡丹の芽に屈み           都合ナルミ




     菰解きて日ざしあふるる牡丹の芽         倉田信子




     臥す夫が牡丹の芽吹き問ふてをり         八尋樹炎




     忌明けの雨にほつるる牡丹の芽          内田陽子




     牡丹の芽影置くほどに伸びにけり         矢野愛乃





         




     牡丹の芽ひらく力の紅濃かり
  


       
   ☆ 友人から花だけ見ると分からないけど、芍薬の芽との区別はできるのかとの質問がありました

     芍薬は草本ですから土から直に新芽が出ています、写真に挙げてみます


          
                  
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2月 18日

2019-02-17 16:09:03 | Weblog
                   下萌・草萌・草青む




・    西行の跡いくたびの草の萌え           細見綾子




     草萌ゆる予科練生の夢見し地           栗田やすし




     弁当の蓋の米つぶ土手青む            河原地英武




     御手洗の水の煌めきなづな萌ゆ          武田稜子




     下萌や杭一本の馬の墓              森垣一成




     草青む野につながれし山羊二匹          清水弓月




     空濠に角突く鹿や草萌ゆる            奥山ひろみ




     キャンパスの内なる古墳下萌ゆる         石川紀子




     神事の矢それて草萌打ちにけり          篠田法子




     飛火野に鹿のぬた場や草青む           江口ひろし




     下萌の地に磨ぎ汁をこぼしけり          鈴木真理子





         
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2月 17日

2019-02-16 16:03:26 | Weblog
             菫・菫草・壷すみれ・パンジー・三色すみれ 




    神宿る小さき棚田や花すみれ       栗田やすし




    石山の裾の微風に花すみれ        沢木欣一




    屋根替への萱束干して山すみれ      細見綾子




    土乾く風葬あとや島すみれ        栗田せつ子




    花すみれ将軍塚の裾に萌ゆ        板谷芳子




    野すみれの咲くや馬籠の石だたみ     白鳥光江




    みどり子に兆す言の葉花菫        小栁津民子




    風木舎跡のすみれを師の墓へ       都合ナルミ




    パンジーの鮮やか駅前ロータリー     福井喜久江




    パンジーの黄色が多し花時計       河野幸子




    パンジーを大きく揺らす風吹けり     熊谷タマ




         



     ☆ 同じスミレ科スミレ属ですがパンジーは野生のすみれを改良したもの
       ビオラはパンジーを改良したもので野生のパンジーは有りません
       すみれは多年草 パンジー・ビオラは1年~2年草
       因みに野生種のすみれは50余種あるようです
       その見分けの一つが花びらの大きさ パンジー>ビオラ(三色すみれ)>すみれ
       パンジーはフランス語のパンセ(思想)からの変化 遊蝶花
       俳句で詠む場合はいささか趣がちがのでしょうね
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2月 16日

2019-02-15 15:45:54 | Weblog
                菜の花・花菜・油菜




    菜の花の転がつてをり汚れずに          栗田やすし




    菜の花や旅路に古りし紺絣            沢木欣一




    菜の花がしあはせさうに黄色して         細見綾子




    岬みち海になだるる菜畑の黄           武藤光晴




    花菜風甘し絣の糸干し場             都合ナルミ




    菜の花を載せて帰れり耕耘機           谷口千賀子




    鼻失せし地蔵を撫づる花菜風           八尋樹炎




    花菜より花菜へ渡る土橋かな           鈴木みすず




       
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2月 15日

2019-02-14 15:53:30 | Weblog
                  犬ふぐり・大犬ふぐり




    犬ふぐり海辺で見れば海の色            細見綾子




    当麻寺へどの畦道も犬ふぐり           下里美恵子




    犬ふぐり囲む馬琴の墓所             佐藤とみお




    牛の仔の大き泪目犬ふぐり            井沢陽子




    みどり児のかたこと楽し犬ふぐり         小栁津民子




    ゆづり合う細き窯道犬ふぐり           水野時子




    石蹴つて人待つ辻や犬ふぐり           佐々木美代子




    高札の残る馬宿いぬふぐり            東口哲半




    犬ふぐり大の字に寝て空眺む           渡辺慢房
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2月 14日 (バレンタインデー)

2019-02-13 18:12:42 | Weblog
                   バレンタインの日・バレンタインデー




    バレンタインデーと言ふ日の佐渡が見ゆ       吉田鴻司




    薔薇抱いてバレンタインといふ日かな        友田美代




    バレンタインデー俎に貝の砂            鷹羽狩行




    乳牛の黒き眼バレンタインの峡           大峯あきら




    富士真白バレンタインの朝晴れて         伊藤範子




    病む母とバレンタインの街に出る         高橋幸子




 



     valentine‘s day


この日にチョコレートを送る習慣は日本だけでは無く
イギリスの「カドバリー社」がギフト用チョコレートボックスを製造
したことに広まったとあります、日本では1936年神戸モロゾフ
洋菓子店が英字新聞にバレンタイン・セールの広告を出してます
でも愛の告白とともに今のようにチョコレートをプレゼントする習慣は
1970年ごろから盛んになったそうです、
   
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2月 13日

2019-02-12 19:35:42 | Weblog
                  苜蓿(うまごやし)・苜蓿(もくしゅく)・クローバー




     苜蓿や義肢のヒロシマ人憩ふ           沢木欣一




     男女たることに素直にクローバー         細見綾子




     袖口でぬぐふハモニカ苜蓿            河原地英武




     母と子が顔寄せて摘むクローバー         矢野愛乃




     寝ころんでしろつめくさの冷たさよ        関根切子




     クローバーの土手やはらかや犬駆くる       奥山ひろ子




     小刻みに揺るる苜蓿馬場の跡           砂川紀子




     下宿へと発つ子に四つ葉のクローバー       安藤幸子





     
     
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2月 12日

2019-02-11 16:00:37 | Weblog
                    蕗の薹・蕗のたう




     蕗の薹見つけし今日はこれでよし          細見 綾子




     蕗のたう屈みて摘めり石道寺           栗田やすし




     小振りなる渋民村の蕗の薹            都合ナルミ




     地震跡の崖の崩れに蕗のたう           上杉美保子




     大富士を仰ぎては摘むふきのたう         谷口千賀子




     蕗の薹長くる信玄火葬塚             倉田信子




     天ぷらの衣薄めに蕗の薹             市原美幸




     蕗のたう沢音尖る峠道              山下善久




     蕗のたう水の光を満面に             中川幸子




     風化仏くちの笑みのみ蕗の薹           山 たけし





     
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2月 11日 (建国記念日)

2019-02-10 16:09:59 | Weblog
                紅梅




     入園の児が紅梅を帽に挿す          栗田やすし




     紅梅を面映えて見し石の上          細見綾子




     紅梅の莟に昨夜の雨しづく          武藤光晴




     紅梅や石で囲ひしつるべ井戸         黒木純子




     紅梅の名残りの一花綾子句碑         若山智子




     紅梅や花器となる土足で練る         森 靖子




     紅梅や筆塚に日の廻り来し          下里美恵子




     紅梅の蕾きざせり義民の碑          清水弓月




     紅梅へ寄せやり妻の車椅子          梅田 葵





     
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2月 10日

2019-02-09 16:30:07 | Weblog
                    白梅




     信篤き三河国人梅真白            栗田やすし




     白梅や包丁を磨ぐ寺男            沢木欣一




     白加賀といふ白梅のうすみどり        細見綾子




     山窪に朝の日差しや梅真白          矢野孝子




     白梅や母の手擦れの絞り台          山口登代子




     咲きそめて白梅庭を明るうす         吉川利雄




     白梅や奉書結びの巫女の髪          朝比奈照子




     白梅や頬ふつくらと吉祥天          鈴木みすず




     縁切寺出て白梅を振りあふぐ         下里美恵子





     


      白加賀           
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