チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 334

2020年05月28日 08時08分48秒 | 日記

桑の木の続き

絹のすばらしさは桑の木を語らないと完成しないのでもう少し語りたい。さらに詳しくはチャ子ちゃん先生のセミナーにいらしてほしい

さて

昭和40年までは桑畑の面積は全国の畑の四分の一を占めていた

FBで桑の実の写真を載せたところ「懐かしい」という感想が中高年の人たちの間でささやかれた

五月晴れが続くころ、梅雨に入る少し前子供たちは学校から帰ると外に出て遊び狂った、その時他人の桑畑に入って桑の実を失敬し口の周りを真っ赤にして家に帰ったところ、母親たちに「盗み食い」をとがめられ叱られる

都会でも公園や街路樹、川の土手に自然に生えている桑の木があり、そこで桑の実をつまんで食べながら歩く、みんな口の周りが真っ赤になっていて大人たちがそれをみて笑う

桑の木は人々の中で息づいていた

大体地図の中に桑畑の表示が載っていたのをご存じだろうか、あいにく平成25年にそれは廃止されて今の地図には跡形もない。7年前までは桑も市民権があったのだ

 

怖いことがあるとみんな「くわばらくわばら」と呪文を唱える。雷は桑の木が大嫌いだそうで絶対に桑の木の近くには落雷しない

昔の人は「地震雷火事おやじ」と雷は二番目のこわさ、桑の木さまさま

チャ子ちゃん先生幼少のころ他人の防空壕に入ると爆音の度に大人たちが「くわばらくわばら」といっている人たちがいたのを記憶している

桑の木は浄化能力があり近くの空気をきれいにもする.第一自分の枯葉を肥料にするので化学肥料など全く必要としない

 

前回にも書いたが桑の種類はかなりある

その中で伊豆諸島に育成する桑の木(島桑)は高級な杖として君臨している。しなやかで強く折れにくく軽い

正倉院御物にある「琵琶」がその島桑だ。音の響きがすこぶるいいと聞いた

また繊維もとれるこの繊維は「すふ」と呼ばれ先の戦争では陸軍の軍服であった。かすかに覚えているがごつごつしていて通気性に富んでいなかった感じ。そのせいか戦争が終わったら影も形もなくなった

 

桑紙もあるこれは古代から使われていて、楮の和紙は上級品桑の紙は一般の物と分けられていた、今でもセブ島の桑の木では桑紙が作られている。日本でも時々見ることが在る

 

また昔は桑の葉の天ぷらやお浸しもあり(新葉の時はおいしい)今後こういう食べ物も復活してくるのだろうな

そうだ「蚕砂」(こうしゃ)蚕の糞なのだが昔の人はきれいな言葉にしたものだ。桑の木のすべての栄養素が入っているので、有機肥料としては抜群、最近は粉末にしてそこからまた液体化し化粧水を作っている人もいる

 

さてコロナ引っ越しのため、スカイガーデンの桑の木どこかで育ててくださらないだろうか?

一ノ瀬、鼠返し、枝垂れ桑の三種類

 

コメント
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