夏期講習中、私が意識をしてやっていることはいくつかありますが、その中の1つに、「なぜ勉強をしたほうがいいのか?」を生徒さんと一緒に考えるというのがあります。
勉強が苦手だったり、なかなか勉強にむかえない、そんな生徒さんと一緒に、あえてこのテーマを考えることをしています。
勉強をやる理由といえば、「いい高校・大学に行くため」と答える人が多いと思います。実際に生徒さんに聞いてみても、同じような返事が返ってきます。
そこであえて、この「いい高校、いい大学」というフレーズを使わずに、それでもなお勉強をしたほうが良い理由を一緒に考えていきます。
そのときに参考例として出すのは私の経験です。具体的にはとても恥ずかしすぎて書けないのですが(笑)、私は結構な失敗もやらかしてきました。その経験から、勉強をやったほうがいい意義をお話するようにしています。
いい高校、いい大学と言われても、多分生徒さんには実感がわかないんだと思います。それによってどんなことが起こって、どんなふうに未来が変わっていくのか、イメージがしにくいんだと思います。
そこで私の経験の登場です。
私の経験を踏まえて話をすることで、具体的なイメージをわきやすくしていきます。
そしてイメージをしてもらうことで、これから起こりうるいろんな場面に対応するためには、今から学んでおくことが大切、そんなことを伝えていきます。
まあもう思い出となった過去の話ですからいいんですが、正直、自分の過去を話すなんてとても恥ずかしいです(笑)。
でもまあ、生きた教材には最適かなあとも思い、「今から見れば、あの時こうだった」という視点でお話をしていきます。
そして、周りの大人たちが「勉強しろ」という理由は、私の思いと同じだからなんだと思う、そう伝えていきます。
ただなかなか理由をじっくり話したり聞いたりする機会がないので、結論である「勉強しろ」という言葉だけになってしまうんだと思う、そうも話していきます。
私の経験を踏まえた話の後だと、生徒さんたちは、周りの大人が「勉強しろ」といった理由が少しは飲み込めるようになってる、そんなふうに思います。
もちろんこれだけで、急に意欲的になってガリガリ勉強するということもないと思います。でも、心のどこかに引っかかってさえいれば、いざという時に、やり出すきっかけにはなるのかなと思います。
勉強しろといってすぐに勉強しだすような即効性のあるものはなかなか無いように思います。ただこうした話を蓄積していく中で、いつかそれが自分と重なり、動きだす理由になってもらえたら、そんなふうに思います。
普段は学校の授業に追いつけ追い越せでなかなかできない話ですが、夏期講習という少し時間的に余裕のある時だからこそ、できることでもあると思います。
周りからは「力説してましたね〜」なんていわれますが、これもまた先生と呼ばれる大人の仕事のひとつなのかなと思います。
ところで私の恥ずかしい話ってなんですかって?それは残念ながら、この話を聞いた生徒さんとのヒミツです(笑)