不都合な真実 ECO入門編 地球温暖化の危機 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2007-06-27 |
今や、地球環境問題を口にしない人はいない。地球が確実に温暖 化しており、その原因が二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス が大気中に累積していること、つまり人間の活動によることは確か らしい。その結果、気候変動が引き起こされ、雨の多い地域では 洪水や強い台風の頻度が増す一方、雨の降らない地域はますま す干しあがっている。このような知識はテレビや新聞の報道で知る が断片的であり、ひとつながりのものとして見る機会は少ない。 そのため、一つ一つの事象についてため息は出るが、そのままに なってしまう。地球環境全体が大きく様変わりしつつあることに実 感が抱けないからだ。本書は、アメリカの副大統領であったアル・ ゴアが編さんした地球環境リポ-トで、世界各地で生じているさま ざまな環境危機を余すところなく提示している。環境異変を敏感に 反映する北極や南極、年々拡大する干ばつ地帯、後退著しい山 岳氷河、強度が増しているハリケ-ンの数々などで、まず私たちは 現実に進行している環境異変の実態を正視する必要がある。この まま放置すれば間違いなく人類の未来に大きな困難が待ち受けて いることを事実として受け止めねばならないらだ。そのような事態を 食い止めるには、私たちの生活スタイルや大量生産・大量消費・ 大量破棄の経済システムを見直すことが求められる。つまり、便利 で安楽な日常の一部を手放さねばならないのだ。その意味では私 たちにとって「不都合」ではあるが、「真実」は誰も否定できない。 彼は「危機」ではなく中国式に「危机」であると述べている。「机」は 「機会」を意味する。これをきっかけに自分たちの暮らしを見直すこと から始めよう、と呼びかけたいるのだ。環境問題にはもうウンザリと 思われている方も多いだろうが、「不都合」を放置せず何らかの行動 をとるために、本書をじっくりと見つめてほしいと願っている。 枝廣淳子訳 評・池内 了(総合研究大学院大学教授・宇宙物理学)
地球の息 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2006-12 |
立松和平著 札幌の柏艪舎から出した著書の「象が眺める」に続く エッセ-集。世界中の大地をかけめく゛り 、「生活したうえでの実 感」を書いている。環境問題をテ-マとした作品が多く、地球の環 境汚染は恐ろしいほど進んでいると警鐘を鳴らす。釧路湿原のタン チョウとともに生きる人、伐採される富良野の里山、大豊作のため に捨てられる北見のタマネギ、年々迫力がなくなる知床の流氷など、 道内の話題も多い。中でも「一番の美味」という一遍では、納豆と みそ汁とご飯で決まるという故郷の母の味と、北海道の味について 言葉を尽くしている。その情景を思うと唾液が出てくる。