シ-ニックバイウェイ北海道 景観の良い道路を中心に、沿道の住民と行政が連携して、北海道 の魅力的な観光地づくりを進める、独自の事業がある。「シ-ニック バイウェイ北海道」と呼ばれ、大雪・富良野や東オホ-ツクなど六 ル-ト。観光客がドライブだけでなく、車を降りて住民や食べ物など を通じ、地域と交流できる場を設けている。シ-ニックバイウェイは 「眺めの良い脇道」の意味で、米国では1990年代から進めている 観光施策。日本では開発局が道内の道路沿線住人らに働きかけ、 2002年に国の重点施策になった。外国人にも分かるようにと、英 語の名称をそのまま使用した。05年3月に官民による推進協議会 (事務局・開発局)が発足し、同年5月に3ル-トを指定。現在は6 ル-トが指定されているほか、「南十勝」「天北オロロン」など3ル- トが候補になっている。地域住民で組織するル-ト運営代表者会議 が、行政と協力しながら事業を企画・実施する。眺めの良い場所に 期間限定で設置される「シ-ニックカフェ」や、沿道の花植え体験な どは、住民と観光客が触れ合える代表例だ。事業のPRなどを担う 「シ-ニックバイウェイ支援センタ-」の、かとうけいこ事務局長は 「北海道に来る観光客は、気持ち良い景色の中でのドライブを楽し みにしている。住民と行政が連携して美しい景観を守りながら、地 域活性化に結びつけたい」と話す。国が今秋から全国展開を目指す 「日本風景街道(シ-ニック・バイウェイ・ジャパン)」の先駆けでもあ り、06年度は道外から約百八十人が視察に訪れた。
二酸化炭素吸収の木を植えるツア- 車での移動が中心のシ-ニックバイウェイ北海道は、排ガスによる 環境汚染の問題が避けられない。そこでシ-ニックバイウェイ支援 センタ-は今年七月、二酸化炭素を排出した分、二酸化炭素を吸 収する木を植える「カ-ボン(炭素)オフセット実験ツア-」を始めた。 ツア-は二十人が参加。札幌からバスで移動し、留萌管内遠別町 にトドマツの苗木30株を植えた。ツア-料金には苗木購入費など 一人四百五十円を加算した。同センタ-によると、札幌~留萌間の 往復の二酸化炭素排出量はトドマツ二本で吸収できるが、多めに 植えたという。同ツア-は九月下旬以降も数回企画。冬は旅行者 に苗木購入などの費用だけを負担してもらう。 問い合わせは同センタ-011・204・7107へ