厳しい寒さが続く道内。需要が高まるこの時期にも、灯油価格は高 止まりの状態が続いている。生活部で、読者から灯油節約のアイデ アを募ったところ、身近にある道具を使って暖かく過ごすコッが、手紙 や電子メ-ルなどで多数寄せられた。その一部を紹介する。
「この1枚で全然暖かさが違うんですよ」。札幌 市の主婦村上栄子さん(66)が、発泡スチロ-ル 製の断熱材を見せてくれた。厚さ約2㌢の断熱 材は2年前、夫の敏夫さん(73)がホ-ムセン タ-で買ってきた。居間の窓の幅に合わせて切り、 両脇と下にスポンジを取り付けた。窓の下半分く らいの高さで、夜、窓枠にはめ込むだけだ。この 断熱材のおかげで、室内の急激な冷え込みがな くなり、日中も灯油スト-ブの火力を小さくしたままでもよくなったと いう。以前は窓が凍るほどだった結露もなくなった。村上さん宅では、 電気カ-ペットの下に、断熱シ-トを敷いたり、すきま風が通るソファ の足元からの冷え込み対策に工夫を重ねている。栄子さんは「お金 をかけないでも、ちょっとした手間で寒さを防げます」とアドバイスして いる。後志管内倶知安町の無職柳町ケイ子さん(67)は、二枚重ね の厚手のカ-テンを薦めている。普通の厚手カ-テンを二枚重ねて 縫い、1枚にしたものだ。居間などのほか、冬の間だけ、すきま風が 入る台所の引き戸にも同様のカ-テンを取り付けている。夜間の冷 え込みが減り、日中はスト-ブを消しても室温20度前後を保ってい るという。週三回はなべ料理をしたり、就寝前には、バケツに塩と湯 を入れて「足湯」をしたりと、体を外と中から温めることも心がけている。 柳町さんは「灯油使用量は月3、4㍑くらい減っていると思う」と効果 を話している。「小さな心がけで、これまでの無駄に気付いた」と話す のは、帯広で2人暮らしをする主婦(61)。灯油スト-ブの上にやか んや鉄瓶を載せ、台所で使う湯を沸かすようになったことで、温水ボ イラ-の灯油を減らした。煙突の熱を利用する古い湯沸かし器を、今 冬から使い始めたこともあり、年間の灯油量は2006年の588㍑か ら07年は365㍑に減ったという。このほか、「サ-キュレ-タ-(空 気循環装置)で上昇した暖気をかくはんする」「家族全員で一つの部 屋で過ごす」「厚手のセ-タ-を着て、首にスカ-フを巻く」「(ホット 飲料用の)ペットボトルに湯を入れてカイロ代わりにする」などのアイ デアも寄せられた。石油情報センタ-によると、道内の灯油価格(配 達)は4日現在、前年同期より23・3円高い1㍑当たり99・6円。ア イデアを寄せてくれた読者からは、「小さな努力を積み重ねているが、 価格上昇にはかなわない・・・」とのため息も聞こえてきた。