パン教室「カフェ・タブリエ」主宰 森本 まどか 大型、ハ-ド系 石釜が力発揮
石釜で焼くパンは、全部良いのでしょうか?小さ い菓子パンなどは火が通りすぎてしまうので、向 いているとはいえません。パンには「直焼き」と、 菓子パンのように天板に乗せて焼くタイプとがあ ります。昔ながらのパンの作り方は、すべて石釜での「直焼き」でし た。熱々の炉床に直接パンをのせ、じっくりと火を通し焼き上げる方 法です。現代になつて、日本のように柔らかく小さな菓子パンが好ま れるようになると、直焼きではなく成型後、天板にのせて発酵させ、 オ-プンに入れるタイプのパン作りが盛んになりました。熱を蓄えた 石の上に置いて焼き上げる石窯は、大きめのハ-ド系のパンに一番 力を発揮すると思います。型ものでしたら大きい食パン、ピザのように 平べったい葉形の「フ-ガス」、さっくりと仕上がるクロワッサンなどが 適しています。薪で火をおこし、300度近くまで熱せられた窯の内部 は、火を消すと自然に温度が下がります。温度の高い時には大型の パンや食パンを、180度くらいに下がったら、小型のパンを焼くという ように、温度に応じて何種類かのパンを焼き分け、効率よく蒔きのエ ネルギ-を使い切るのが理想です。