゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

不況に負けない「道内中小企業と働き手」㊦

2009-02-28 19:40:43 | ほっかいどう関連情報

活路 リスク覚悟で起業に挑戦

100_1112 国内総生産(GDP)の実質成長率が約35年ぶ                             りの二けたマイナス、家も車も売れず、飲食店も                             空席が目立つ-。「100年に1度」の景気悪化に、                           年金などの将来不安も加わり、人々は財布のひ                             もを固く締める。だが、どこかにビジネスチャンスは                            あるはずだ。札幌市の融雪機のメンテナンス会社                            「モンスタ-サ-ビス」社長の古田守さん(34)は                           今、道内各地の顧客の元を飛び回る大忙しの日々                           だ。転機は2年前に突然やって来た。当時は道内                            シェア5割を誇った岩見沢市の融雪機メ-カ-の責                           任者だった。札幌で支店開設を準備していたと時、                           社長から倒産を告げられた。

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ぼうぜんとした。家族の顔とともに、客の顔が脳裏をよぎった。同社はオ                           リジナル製品を販売し、メンテナンスも行ってきたため、倒産で道内1万                           数千戸の購入者も放り出されることになる。客には年配者も多い。「放っ                          ておけない」と自ら300万円を工面し、7人の元部下とモンスタ-サ-ビ                          スを起こした。顧客の多くは引き継ぐことができた。売り上げ高は現在約                           5千万円。「不況だけど、今冬も業績は落ちていない。お客さんのニ-ズ                           は確実にある」と古田さんは手応えを感じる。将来は融雪機の製造も手                           がけることが目標だ。道によると、道内の「起業」件数は年間約1万3千                          件。全く新しい分野に飛び込む動きも相次ぐ。

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「ちょいのりレンタカ-」。札幌市中央区内のガソリンスタンドでは、                              こんな垂れ幕が風にたなびく。ガソリンの販売低迷に悩む札幌の中                              和石油が2月から乗り出したレンタカ-事業だ。中古車販売で扱う                              車両と給油所のネットワ-クを使えるのが強み。同社は「不況でマ                              イカ-を手放した人などに気軽に使ってもらいたい。利用は、まだ少                             ないが、問い合わせは増えている」。家電販売の小樽赤尾電化(小                             樽市)は、今や新規事業が本業の不振をカバ-する。赤尾政彦社長                               (53)のベ-グル好きが高じて3年半前、道産小麦を使ったペ-グ                             ルの製造・販売を始めた。現在、札幌、小樽計5店舗を展開し、「固                             定客も増え、道外からの出店要請もある」(赤尾社長)という。その売                            上高は、9年前の半分以下に落ち込んだ本業を上回る。公共事業の                             減少に苦しむ建設業界でも、しずお建設(士別市)がサフォ-ク種羊                             の飼育を手掛け、船橋西川建設(北見市)がビ-トや小麦を生産する                            など、農業への参入が進む。まだ軌道に乗った事業は少ないが、「リ                             スクはあっても雇用を守るためには、違う分野に飛び込むしかない」                             (しずお建設)と力がこもる。厳しい荒波の中で、「不況に負けない」と                             必死に踏ん張っている道内中小企業と働き手たち。その知恵と決意                             が試されている。(報道本部の勝木晃之郎が担当しました)

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不況に負けない「道内中小企業と働き手」㊥

2009-02-28 15:07:38 | ほっかいどう関連情報

身の丈 味、雇用第一規模追わず

100_1111 後志管内余市町で海産物の薫製作りを続ける                              「南保留太郎商店」の二代目、南保敬二社長                               (60)は昨年末、長野からやって来た百貨店の                              バイヤ-と向き合っていた。「ぜひ、うちの北海                              道物産展に出てもらえませんか」。バイヤ-の                              申し出に南保社長は言った。「申し訳ないが、そ                             ういう話はお断りしているんです」。食品添加物を使わず、味付けは                  塩やみりんなど昔ながらの調味料だけ。本物の味を求めて余市ま                              で足を運ぶ客のほか、全国から電話やメ-ルでの注文が引きもきら                             ない。顧客名簿は約3万人に及ぶ。各地の百貨店から物産展や常                             設店の出店依頼が相次いでいるが、南保社長は断り続けている。

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「保存料を使わないため、目が届かないところに商品が出回ると、味                              が落ちてしまう」のが理由。唯一商品を卸すのは、長年の知り合いか                            ら頼み込まれた札幌の百貨店だけだ。景気悪化で自動車や電機など                            大手メ-カ-が大幅な減産を強いられるのをよそに、南保社長は「大                            量生産は、それがダメになつた時に経営もおかしくなる」といたずらに                             設備と人を増やさない方針を貫いてきた。一方で7人の授業員に毎                            年、新製品の開発を課す攻めの姿勢も忘れず、年商は今や約7千万                            円。この不況でも売り上げが落ち込むことはない。帝国デ-タバンクに                            よると、昨秋からの不況の影響で、昨年1年間の全国の倒産件数は                             前年比約15%増の約1万2600件に上った。経済基盤の弱い道内                             は、約470件と前年より約30%も増えたが、こうした「身の丈経営」は                           強みを見せる。「天狗まんじゅう」で知られる岩見沢市の「天狗まんじゅ                            う本舗」も規模を追わない。食品添加物を使わず、素材を生かした素朴                           な味が人気で、午前中に売り切れる日もあり、各地からの出店要請も                            多い。しかし、斎藤美枝子常務(58)「これ以上の規模になれば、味が                           雑になる」とパ-トを中心に授業員15人の体制を守り続ける。

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昨年12月に倒産した松本建工(札幌)は過大な宅地開発が重荷に                              なった。1月に民事再生法の適用を申請した丸井今井(同)も、景気                             の波を見誤った設備投資が足かせになった。時代が激変する中で                              将来も存続していくため、規模拡大を目指すのは企業の宿命だ。し                              かし、バランスを欠いた巨体は、かえって足元を危うくする。「身の丈                             経営」は巨額の富を生み出さない代わりに、経営基盤を強固にし、                              従業員の雇用を守る。天狗まんじゅう本舗の斎藤常務は「パ-トの                              人も生活がかかっている。広めてダメになれば、影響は大きい」と自                             戒する。その屋号は、先代社長らが「天狗にならないように」との思                              いも込めて使い続けてきたという。

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