鉄分やビタミン豊富オレンジ色果実
[むかわ]苫小牧の建設会社、遠藤組(遠藤正弘社長)が、ロシアや中国の寒冷地を主産地とする、栄養価の高い果実「シ-べリ-」の試験栽培に胆振管内むかわ町で取り組んでいる。6月上旬に町内穂別に加工場も完成する予定で、果実をペ-スト状にした健康食品を売り込む。
シ-べリ-はグミ科の植物で、夏にオレンジ色の果実を房状に付ける。かんきつ系の香りがして酸味は強いが、鉄分やビタミンが豊富。百㌘当たりの鉄分はプル-ンの27倍、ビタミンAはレモンの56倍あるとされる。道内では十勝管内士幌町や後志管内仁木町など数ヵ所でしか栽培されていない。同社がシ-べリ-の栽培を始めたのは2007年。建設不況が深刻化する中、新たなビジネスチャンスをつかもうと、道内であまり作られていないシ-べリ-に着目した。遠藤社長は「道内は多くの土地があり、寒冷地で栽培に向いている。健康食品として付加価値も高い」と話す。むかわ町仁和と旭岡の計3㌶に苗木を植え現在は3千本を栽培している。昨年、初めて実を付け1㌧を収穫。今年は2㌧が目標だ。果実を煮詰めてペ-ストにする方法は独自開発した。3千万円をかけて建設中の加工場でペ-ストの試作品を生産し、食品会社やホテル対象の見本市に出品して販路を開拓する方針だ。遠藤社長は「農家と協力して苗木を休耕地に植え、いずれは新たな特産品にしたい。ペ-ストは再来年に発売したい」などと話している。