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発信2009 ジャガイモ最前線 [中]

2009-06-29 16:46:04 | ほっかいどう関連情報

芽室町農協の挑戦 先駆者 国内技術遅れに衝撃

100_7180 「日本の栽培技術は英国より30年遅れているといわれてきた。やっと追い付いてきましたね」。3月中旬、十勝管内芽室町農協が種イモを日光浴させない新技術をテ-マに開いたセミナ-で、参加した同町のジャガイモ農家松永敏男さん(60)は感慨深げに語った。

「早期培土」を定着

松永さんが1998年に英国から導入した「早期培土」技術が町内の8割を越える農家で定着し、今度は種イモを日光浴させずにサイズの均一化を図るという新技術が普及し始めたことで、「売れるイモ作り」の取り組みが新段階に入ったと実感したのだ。早期培土は、4~5月の種イモ植え付け直後に畝に盛り土する方法。病害発生の原因とされ、従来は6月以降が常識だった。だが、土壌によっては病気にならないことが分かった。利点は早い時期に土を軟らかくして盛り土するため、雑草が生えにくくなること。除草作業を省力化できる上、トラクタ-が畑に入る回数が減り、機械の重みで畑の土が硬くんることを防げる。根張りが良くなり、収量は数%上がった。この実践の中で、収穫の際、収穫機の速度を上げることで、一緒に巻き込んだ土がクッションになり、イモが傷つくのを防げることも分かった。芽室町農協で2001年に2割超えていた傷つきイモの発生率は現在、1割にまで減少した。松永さんがこの技術導入に積極的になつたのは96年の英国研修がきっかけ。当時、日本では最新型といわれた農機具が博物館に展示されているのを見て強い衝撃を受けた。「日本の技術は遅れているんじゃないか」

外国産に対抗を

帰国後、農協らに調べてもらうと、それは事実だった。60年代、芽室町の収量は10㌃当たり3・4㌧で英国を0・4㌧上回っていたが、2000年には逆転。英国の3・9㌧に対し、芽室は3・6㌧にとどまっていたのだ。芽室町農協の道場琢也管理部長は00年、松永さんの取り組みをヒントに英国へ飛んだ。「農業は、肥料の原料も農機具も外国産。技術くらいは『国産』にするため、欧米の技術をしっかり習得したかった」と振り返る。帰国後は毎年数回、セミナ-を開き、芽室以外の農家にも成果を伝授。芽室から国内の技術力を底上げしょうという意識が広まっている。「消費者が求めるものを作るためには農家が技術を高めることが必要。外国産に対抗できれば食料自給率の向上にもつながる」。松永さんは力を込める。

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