きままなドライブと写真、そして映画

晴れの日はドライブ・写真、雨の日は映画、曇りの日は・・・迷う

正月に燗酒を飲む

2017-01-02 23:07:12 | Weblog

昔は、日本酒は燗をして飲むのがスタンダードであり、お銚子と御猪口で飲んでいた。
お銚子が出れば、「ま、一献」とお酌をし、「ご返杯」とお酌をされ、という展開になっていった。
その後、少なくとも東京では、差しつ差されつが面倒になり、接待でない限り、手酌でいくのが一般化した。
手酌であれば、飲むペースもマイペースでいける。
そのうち、地酒ブームが起こり、冷酒をグラスで飲むのが主流を占めるようになってきた。
お銚子と御猪口は姿を消し、桝のなかに置いたグラスに零れるほどになみなみと酒をつぐシーンが店ではよく目にする光景となった。

今は、純米吟醸系で搾りたて原酒、辛口系が僕の好みになっているが、これも冷蔵庫に保管して冷酒で飲む。
とはいえ、いつも飲んでいるのは焼酎で、たまにその気になった時に日本酒を飲む。
しかし、最近、何故か、ふと、燗酒が飲みたくなった。
ネットの記事を読んでいて、そんな気分になりつつあったところに、こんなものを見つけてしまった。
購入者のクチコミもすこぶるよい。
さっそく注文。

 

壺にお湯を注ぎ、日本酒を入れた徳利をその壺に挿し込む。

 

あとは適度の温度になるのを待つだけ。
盃に酒を注いだ後は、また壺に挿し込んでおけば、冷めることがない。

燗で酒を飲むにしても、どんな酒を飲むかが問題だ。
この燗酒容器を注文すると同時に、燗でうまい日本酒をネットで調べた。



 

「大七純米生もと」福島県二本松市 大七酒造
月刊誌「danchu」日本一美味しいお燗酒選出
日経新聞「何でもランキング」、“おせち料理によく合ってお燗にすると美味しい日本酒”第1位
お酒の味とは関係ないが、当主は東大法学部卒らしい。葛藤あっただろうなあ。
燗酒容器が届く前に入手してしまったので、冷酒でちびちびといただく。
悪くはないが、ネットで絶賛されるほどおいしいのかなあと思いながら、ちびちびといただく。
燗で飲もうと思った時は、徳利の半分ぐらいしか残ってなかった。
で、燗した時の味は?
うーん、冷酒の時より甘さが強くなって好みの味から遠ざかる感じかなあ。



 

「奈良萬純米酒」福島県喜多方市 夢心酒造
福島なのに奈良がついているのは、先祖が奈良から来たということらしい。
全国のプロから燗酒日本一に選ばれたらしい。
さっそく飲んでみた。
「大七純米生もと」よりマイルドな感じで、こちらの方がまだいいかなあ。
二つの酒を燗で飲んでみて、思ったほど味わいある感じではなかったというのが正直なところ。
決してマズイということではない。期待が大きすぎたということか。
燗でいろいろ飲んでいくうちに、また味覚が変わるかもしれない。

昔、太田和彦の本を何冊か読んだことがある。
酒の味や居酒屋の料理が生き生きと再現され、思わず居酒屋通いを始めたくなるような本だった。
福岡に越して、うまい地酒はないかとネットを見ているうち、酒好きな人の何人かのブログやHPを発見。
例えば、「大七純米生もと」については
「酸が強い。濃い。旨みたっぷり。奥深い味わいだ。濃いけどすっきりした飲み口。キレが非常に良い。いやはや、これは旨い。旨いのは分かってたけど、やっぱり旨い」
太田和彦ばりの、その表現力には感服するばかり。
吉田類シリーズは雰囲気がよさそうな居酒屋の紹介はあるが、太田和彦のような酒への薀蓄や個別銘柄への思いみたいなコメントはない。

僕はずっと質より量でお酒を飲んできたので正直味はよくわからない。
でも、人がおいしいと言ってるお酒を僕がおいしいと思う必要はないし、特に山廃仕込みはいろいろ飲んだが僕にはあわない。
とはいえ、人がおいしいと言っているお酒を知ることは、僕がおいしいと思うお酒を探す手がかりではある。
ワインに近いお酒はワインや果実酒を飲めばいいじゃないか。
セメダイン臭のお酒は嫌いだ。べったり甘いお酒は嫌いだ。
辛口が好きだけど、辛口すっきりだけでは味がない。米の味。独特の風味。個性。
初めて「越乃寒梅」を飲んだ時、ただ水っぽいとしかと思わなかったのに、その後おいしいと思うようになったりしたこともあったので、好みも変化するかもしれない。
「越乃寒梅」もずっと飲んでないので、今飲めばどう感じるかはわからない。
でも、新潟のお酒に興味を発展させてくれたお酒である。
お、つい長くなってしまった。
ウィー
ゴホンゴホン
風邪よ、いい加減、治ってくれー。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする