最近、ずっと気になっていたM.B.ゴフスタインの絵本。
ようやく図書館で借りることが出来ました。
残念ながら図書館にあったのは、『ふたりの雪だるま』、『わたしの船長さん』、『おばあさんのはこぶね』、『ピアノ調律師』、『ゴールディーのお人形』の5冊だけ。
それでも、ゴフスタインの世界を堪能することができました。
驚いたことに、以前読んだことのある絵本がありました。
それは、『ふたりの雪だるま』。
パステルで描かれたこの絵本と、シンプルな線で描かれたほかの絵本の印象が違ってて、気がつかなかったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/0d/a2c470dfec26a506a4d1b988502d6125.jpg)
『ふたりの雪だるま』
一度見たら忘れられそうにない、印象的な表紙でしょ?
パステルで描かれた子どもが描いたような単純な絵ですが、
色合いのせいか落ち着いた雰囲気すらします。
お話もとてもシンプルで、暖かくて心にふわ~と残る絵本です。
そして、今回私がとても気に入ったのがこれ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/da/d0af421e7e06a99d574e02e57e897e30.jpg)
『ゴールディーのお人形』
ゴフスタインの絵本はどれも小さくて、おまけに表紙の絵を見たら、
このがさつな私でさえ
、手に取るのもそっと優しくなってしまいます。
それくらい、優しさが滲み出てる絵本なのです。
人形づくりをしながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディー。
彼女は、
木のかたまりの中にうまっている、人形の新しい顔を彫りだそうと、
いつも静かに、心をこめて仕事をしました。
それだけで、彼女の人形づくりに対する真摯な態度が伝わってきます。
森でひろった枝を使うゴールディーに、大工で彼女の友達のオームスから、
どうして大工仕事の残りに出る木っ端を使わないのか、
尋ねられたときもこう答えます。
うまく言えないけど、それだと本物のような気がしないの。
それに彫っていても面白くないし、それだとうまくできないの、
生きているような気がしないのよ。
そんなゴールディーが、ある日、お気に入りのお店で、
とても美しい中国製のランプを見つけます。
お店のミスター・ソロモンの好意もあって、
その高価なランプを手に入れることができたのですが
友達の(そして多分彼に好意も抱いていたのでしょう)オームスに、
こんな高価なものを買って、とても正気とは思えないと言われ、
沈んだ気持ちで家に帰り、後悔しはじめます。
美しいものに出会った喜びを、理解してもらえなかった淋しさ。
オームスも大工というものづくりに携わっているのに、
彼とはものづくりに対する気持ちが、根本的に違っていたのです。
しかし、その夜、ゴールディーに不思議なことがおこります。
そのランプをつくった中国人も、
彼女と同じ思いでものづくりをしていたのです。
彼は言います。
私はあのランプを、会ったこともないあなたのために作ったのです。
どこかの誰かが、きっと気に入ってくれると信じて、一生懸命作ったのです。
美しいものをつくろうとする人たち。
作品に命を吹き込もうとしている人たち。
彼らは、美しいものは心や生活を豊かにする、
人の心を幸せにできる、ということを知っているのですね。
クーニーの『おおきななみ』では、ひとりの女の子が、
自分の好きなことを仕事にしようとする決心(覚悟?)を感じ、
その凛とした姿勢に心打たれました。
この『ゴールディーのお人形』では、
自分の好きなことを仕事にしている人たちの、
真摯な態度と美しいものへの一途さに心打たれました。
ゴールディーの生活は孤独かもしれないけれど、
それはひりひりとした淋しさを感じるような孤独ではなく、
大空を飛ぶカモメのような、ある種心地よい孤独なのでしょうね。
若いころ、ものをつくる人たちに憧れた私にとって、
心の残る一冊になりました。
ようやく図書館で借りることが出来ました。
残念ながら図書館にあったのは、『ふたりの雪だるま』、『わたしの船長さん』、『おばあさんのはこぶね』、『ピアノ調律師』、『ゴールディーのお人形』の5冊だけ。
それでも、ゴフスタインの世界を堪能することができました。
驚いたことに、以前読んだことのある絵本がありました。
それは、『ふたりの雪だるま』。
パステルで描かれたこの絵本と、シンプルな線で描かれたほかの絵本の印象が違ってて、気がつかなかったのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/0d/a2c470dfec26a506a4d1b988502d6125.jpg)
『ふたりの雪だるま』
一度見たら忘れられそうにない、印象的な表紙でしょ?
パステルで描かれた子どもが描いたような単純な絵ですが、
色合いのせいか落ち着いた雰囲気すらします。
お話もとてもシンプルで、暖かくて心にふわ~と残る絵本です。
そして、今回私がとても気に入ったのがこれ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/da/d0af421e7e06a99d574e02e57e897e30.jpg)
『ゴールディーのお人形』
ゴフスタインの絵本はどれも小さくて、おまけに表紙の絵を見たら、
このがさつな私でさえ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_ase2.gif)
それくらい、優しさが滲み出てる絵本なのです。
人形づくりをしながら、ひとりで暮らす女の子ゴールディー。
彼女は、
木のかたまりの中にうまっている、人形の新しい顔を彫りだそうと、
いつも静かに、心をこめて仕事をしました。
それだけで、彼女の人形づくりに対する真摯な態度が伝わってきます。
森でひろった枝を使うゴールディーに、大工で彼女の友達のオームスから、
どうして大工仕事の残りに出る木っ端を使わないのか、
尋ねられたときもこう答えます。
うまく言えないけど、それだと本物のような気がしないの。
それに彫っていても面白くないし、それだとうまくできないの、
生きているような気がしないのよ。
そんなゴールディーが、ある日、お気に入りのお店で、
とても美しい中国製のランプを見つけます。
お店のミスター・ソロモンの好意もあって、
その高価なランプを手に入れることができたのですが
友達の(そして多分彼に好意も抱いていたのでしょう)オームスに、
こんな高価なものを買って、とても正気とは思えないと言われ、
沈んだ気持ちで家に帰り、後悔しはじめます。
美しいものに出会った喜びを、理解してもらえなかった淋しさ。
オームスも大工というものづくりに携わっているのに、
彼とはものづくりに対する気持ちが、根本的に違っていたのです。
しかし、その夜、ゴールディーに不思議なことがおこります。
そのランプをつくった中国人も、
彼女と同じ思いでものづくりをしていたのです。
彼は言います。
私はあのランプを、会ったこともないあなたのために作ったのです。
どこかの誰かが、きっと気に入ってくれると信じて、一生懸命作ったのです。
美しいものをつくろうとする人たち。
作品に命を吹き込もうとしている人たち。
彼らは、美しいものは心や生活を豊かにする、
人の心を幸せにできる、ということを知っているのですね。
クーニーの『おおきななみ』では、ひとりの女の子が、
自分の好きなことを仕事にしようとする決心(覚悟?)を感じ、
その凛とした姿勢に心打たれました。
この『ゴールディーのお人形』では、
自分の好きなことを仕事にしている人たちの、
真摯な態度と美しいものへの一途さに心打たれました。
ゴールディーの生活は孤独かもしれないけれど、
それはひりひりとした淋しさを感じるような孤独ではなく、
大空を飛ぶカモメのような、ある種心地よい孤独なのでしょうね。
若いころ、ものをつくる人たちに憧れた私にとって、
心の残る一冊になりました。