熊本熊的日常

日常生活についての雑記

こういうことをやってみたかった

2005年01月07日 | Weblog
 翻訳教室の課題である「バッドサンタ」の紹介文に対するコメントが送られてきた。好意的なもので気分を良くした。ふと、この作品の鑑賞会で一緒だった同じクラスのNさんのことが気になった。「Nさんはどんなことを書いたのだろう?」早速、送られてきたコメントをNさんに転送し、「どうでした?」と尋ねてみた。すると1時間ほどして返事が来た。私が書いたのは紹介文だが、彼は評論であった。それにしても、同じ作品について書かれているとは思えないくらい、私の紹介文と彼の評論は全く異質なものだった。
 私は彼からのメールを読んでいて、とても嬉しくなってしまった。人と映画の話をしていて、いつも不満に感じていたのは、話が深くならないことであった。人それぞれに違った個人的背景を抱えているのだから、作品の斬り方や注目する台詞とかシーンが異なるのは当然だと思う。しかし、会話の流れのようなものを無意識に優先してしまい、互いの、あるいは世間の最大公約数的な話題で終始してしまうことが多い。今回のように文章にすると、そのような遠慮がないので、思ったことが表現できるのだろう。また、今回は「個性的なものは学校のサイトにアップします」ということだったので敢えて独自の視点にこだわったという面もあったかもしれない。それにしても、映画や本の感想で、自分が知りたかったのは自分とは全く別の切り口の話だったのである。
 映像翻訳の勉強を始めて、映画や小説を以前よりも一生懸命に観たり読んだりするようになると、以前よりも多くのことを考えるようになった。しかし、そうした思いを話す相手に恵まれてこなかった。ようやく良い話し相手を見つけることができて、本当に嬉しいのである。