熊本熊的日常

日常生活についての雑記

松濤美術館

2005年12月16日 | Weblog
美術館にとってコレクションは大事であるが、数が多ければ良いというものでもない。ふと、思い立って、一時間程過ごすのにちょうどよい美術館が、あちこちにあって、本格的なものがひとつふたつあるというのが望ましい環境なのではなかろうか。この点で、東京は良い街だ。

松濤美術館に行ってみたら「芝川照吉 劉生、達吉、柏亭らを支えたもう一つの美術史」という企画展をやっていた。岸田劉生や藤井達吉、青木繁らの作品を核に、当時の画家とそのパトロンとの関係を表現するというものだ。当時の富豪のありよう、社会経済の状況などが限られたが数の作品や手紙などによって雄弁に語られている。展示の仕方によって、一枚の絵が多くの情報を発することに驚かされてしまった。

松濤美術館は入館料300円。これほど価値のある300円は珍しい。