このような作品がヒットするとは、アメリカ人ですら、勝ったの負けたのという生活に疲れているらしい。人生は「勝つ」ためにあるのではないという強力なメッセージが伝わってくる愉快な作品である。
登場するのは崩壊寸前の家族。夫婦と子供2人の「標準家庭」に素行不良で老人ホームを追い出された父方の祖父、失恋して自殺未遂を図ったゲイの叔父が加わる。父はコンサルのようで、人生の勝利法則につての書物を出版しようとしている。しかし、出版社から色よい返事はなく、その印税以外に収入のあても無く、家計は破産寸前。息子は空軍のパイロットになることを夢見る15歳。娘は小学校3年か4年くらいだろうか。ミスコンでの優勝を夢見て、祖父が振り付けるダンスの練習に日々励んでいる。そうした家庭をなんとか守っているのが母。そして彼等が暮らすのはアリゾナのとある町。ある日、娘が子供ミスコンの地方大会に繰り上げ優勝になったとの電話連絡が入る。事情はどうあれ、娘はあこがれのミスコンに出場できることに狂喜する。決勝はカリフォルニアのとある町。常識的には、飛行機で行くのだろうが、破産寸前なので一家揃って廃車寸前のワゴンで丸2日がかりでの移動が始まる。
この間に、様々な事件が起こるのである。空軍パイロットを目指す息子は自分が色弱であることがわかり絶望に沈む、とか、ヘロインを常用していた祖父が急死ししてしまうとか。それでも時間ぎりぎりに本大会への出場を果たした娘は、無邪気に祖父が振り付けたダンスを聴衆の前で披露する。それは、いかにもヘロイン中毒になるような飛んでしまっている祖父の振り付けらしく、センセーショナルなものだった。が、本人は知っているのかいないのか、至って真面目に、満足げに踊り続ける。客席が唖然とするなか、一家は主催者から追い出されるように会場を後にする。
作品を通じて、「勝つ」ことの価値が笑いの対象にされている。「勝ち」にこだわりながら破産寸前の父親。ミスコン。プルーストの研究といういかにもマイナーな世界での権威にこだわる叔父。生きることについて、本当に大切なことは何なのかが、そうした笑いのなかに見え隠れしているのである。
登場するのは崩壊寸前の家族。夫婦と子供2人の「標準家庭」に素行不良で老人ホームを追い出された父方の祖父、失恋して自殺未遂を図ったゲイの叔父が加わる。父はコンサルのようで、人生の勝利法則につての書物を出版しようとしている。しかし、出版社から色よい返事はなく、その印税以外に収入のあても無く、家計は破産寸前。息子は空軍のパイロットになることを夢見る15歳。娘は小学校3年か4年くらいだろうか。ミスコンでの優勝を夢見て、祖父が振り付けるダンスの練習に日々励んでいる。そうした家庭をなんとか守っているのが母。そして彼等が暮らすのはアリゾナのとある町。ある日、娘が子供ミスコンの地方大会に繰り上げ優勝になったとの電話連絡が入る。事情はどうあれ、娘はあこがれのミスコンに出場できることに狂喜する。決勝はカリフォルニアのとある町。常識的には、飛行機で行くのだろうが、破産寸前なので一家揃って廃車寸前のワゴンで丸2日がかりでの移動が始まる。
この間に、様々な事件が起こるのである。空軍パイロットを目指す息子は自分が色弱であることがわかり絶望に沈む、とか、ヘロインを常用していた祖父が急死ししてしまうとか。それでも時間ぎりぎりに本大会への出場を果たした娘は、無邪気に祖父が振り付けたダンスを聴衆の前で披露する。それは、いかにもヘロイン中毒になるような飛んでしまっている祖父の振り付けらしく、センセーショナルなものだった。が、本人は知っているのかいないのか、至って真面目に、満足げに踊り続ける。客席が唖然とするなか、一家は主催者から追い出されるように会場を後にする。
作品を通じて、「勝つ」ことの価値が笑いの対象にされている。「勝ち」にこだわりながら破産寸前の父親。ミスコン。プルーストの研究といういかにもマイナーな世界での権威にこだわる叔父。生きることについて、本当に大切なことは何なのかが、そうした笑いのなかに見え隠れしているのである。