熊本熊的日常

日常生活についての雑記

BASE BALL BEAR

2010年09月24日 | Weblog
昨日のブログに本棚が窮屈になってきたと書いたばかりなのに、今日はアマゾンに発注しておいたBase Ball BearのDVDが届いてしまった。しかも2点。

以前、「リンダ・リンダ・リンダ」という映画を観て、とても愉快な作品だと思った。先日、障害者団体向け割引制度悪用事件のことをブログに書くのにいろいろ検索をしていたら、何故か「リンダ・リンダ・リンダ」が引っかかった。結局、関係なかったのだが、その映画の主演のひとり関根史織の名前に必ず付いている「Base Ball Bear」が気になって、検索してみると、YouTubeの映像が良かったのでDVDを観たくなった。で、アマゾンのサイトに飛んで発注した次第である。

バンドというものが一般にどのように形成されるものなのか全く想像もできないのだが、このバンドは高校の学園祭に出場するために結成されて今日に至っているのだそうだ。音楽として彼らがどうなのか、というようなことは全くわからないのだが、DVDを買って良かったと思っている。

自分が高校生の頃を振り返って見れば、確かに学園祭のためにいくつものバンドが結成されていた。しかし、それが学園祭終了後も続き、しかもメジャーデビューに至った、などという話は聞いたことが無い。結局、どれほど音楽が好きであるかとか、その好きであることを十二分に支持するに足る才能に恵まれていること、そうした才能がバンドとして結びつくこと、音楽だけでなく集団としての秩序と統率が取れていること、そうした全てが世に認められる幸運に恵まれていること、などなど数え上げればきりがないほどの要素を兼ね備えているバンドだけがメジャーデビューを果たし、継続的に活動できるということなのだろう。

それにしても、バンドというだけでもカッコいいと思うし、それが続いているのも羨ましいと思う。自分の高校時代は「不毛」を絵にしたような3年間で、大学もそれほど愉快ではなく、就職してから漸く調子が出て、結婚して子供ができて、自分の親との関係とか結婚生活とかが様々な軋轢でボロボロになり、今なんとなく落ち着いた。世間では年を取るということを否定的に捉える傾向があるように感じるのだが、私は年齢を重ねることが楽しくてしょうがない。髪は薄くなるし、肌は乾燥するし、眼はよく見えなくなるし、体力も落ちてくるし、転職の誘いも来なくなる。それを悲しいとか寂しいと思う考え方もあるのだろうが、そうした変化を経て見えてくるものがたくさんある。人との関係もそうだし、世の中の記号論的な諸々もそうだ。

そうした眼で学生時代を振り返れば、月並みだが、もっと遊んでおくべきだったと思う。遊びというのは、その時々の本分とは関係のないことという意味でのことだ。勿論、所謂教育は必要だが、机上の知識を積み上げたところでそんなものは生きる上では何の役にも立たない。肝心なのは生活能力をつけること。生きる上では他人との関係が不可欠なのだから、様々な形の関係を作ったり壊したりという経験を重ねることが必要だと思う。未成年という社会の保護下にある身分で、学校という同質集団にあるときに、ローティーンならまだしも、高校生や大学生くらいの年齢にもなって学校以外に生活が無いというのは過保護だろう。その過保護に甘んじていた自分が情けない。

人は生まれることを選択できない。生を受けたらそれを受け止めて最期まで行くしかない。それは幸運かもしれないし災厄かもしれない。しかし、それが許されるなら、人生は楽しまなければ嘘だと思う。生きることの喜びというのは、いろいろあるだろうが突き詰めてしまえば他人とのつながりを実感することだと思う。生活のあらゆることが市場原理に支配され、何事もデジタルで表現されるのが今の時代というものだが、それは多種多様の無数の事象を社会という枠のなかで管理しようとすれば、数字という共通言語で律することが必要だからだ。個人としてそうしたデジタルの世界にどこまで付き合うかはそれぞれの勝手だが、数字で物事を推し量っている限りは生身の人間と関係することなどできない。市場原理のなかで生きなければ社会生活に支障が出るが、それはそれとして付き合いつつ、自分の価値観も追求しないことには生活のなかの不足感から逃れることはできない。人は思いの外、深く複雑にできているものだ。もっと早くそういうことに気がついていればよかったのだが、最期が視野に入ってくる年齢になって漸く見えてくるのが人生の皮肉というやつなのかもしれない。

ところで、今日手にした2点のDVDは以下の通り。「映像版『バンドBについて』第1巻」はビデオクリップ集で、2005年12月の「CRAZY FOR YOUの季節」から2008年1月の「17才」までの10曲が収められている。「LIVE;(THIS IS THE) BASE BALL BEAR. NIPPON BUDOKAN 2010.01.03」は2枚組みで1枚目が武道館ライブの本編で2枚目はアンコール部分と翌日の下北沢GARAGEでのライブの一部。武道館公演の翌日に下北沢のライブハウスで公演、しかも曲は殆ど被らないというところが好感度を刺激してくれる。現在のメンバーでの結成から8年だそうだ。なんとなく続いている理由がライブの映像から感じられるのだが、それを書いたら直後に解散というようなことになると、私も決まりが悪いので、せめて10年くらい経過するまで余計なことは書かないことにする。

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