熊本熊的日常

日常生活についての雑記

猫が退かない

2010年11月18日 | Weblog
昨日は木工の日。前に書いたように、ミニ箱膳を作っている。杉板を材料にしているが、幅の広いものを調達できなかったので、15cm幅のものを接いで部材を作るところから始める。

先週、切断して平面を出した板は、厚い別の板に挟んでクランプで留めておいたのだが、やはり多少は反りが出ている。接ぎ合わせる面を電動鉋で改めて調整する。

板どうしを接ぐのは接着剤だが、それだけでは強度に不安があるので、ビスケットジョイントを使う。板の接着面に溝を切り、そこにビスケットを嵌めたうえで板を接ぐのである。今回は板厚が9mmと12mmなのでどちらも10番のビスケットを使う。ビスケットの溝はビスケットジョイントカッターで切る。これは小型の丸鋸にビスケット用の位置決め装置をつけたものだ。その後、接着剤を塗り、ビスケットを嵌め、板を接ぎ、クランプで締め、端金で留める。これで接着剤が乾くのを待つのである。

私が作業に精を出している傍らで猫が寛いでいる。雌の虎猫だ。人間の年齢にすれば、けっこうなババアだ。以前は作業中に寄ってくることはなかったのだが、だんだんに距離を縮めてきた。私が、ではなく、猫が、である。近頃は作業台の上に座っていて、私がそこで作業を始めても動じない。木工の工房なので刃物があちこちにあるのだが、不思議なことにそういうものに触れて怪我をするというようなドジは踏まない。

板が反ったりして、平面を出し直すと、その分板厚は小さくなる。それに応じて図面に修正を加えるのだが、作業台の上に広げた図面を書き直していると、猫が図面を覗き込む。その度に猫の髭が私の頬に触れる。いまはそういう距離になった。

猫になぶられているような気がしないでもない。別に気にもならないので、好きなようにさせている。そういう緩い雰囲気のなかで、物事がひとつひとつ確実に形になっていく世界が、なんとなく好ましく感じられる。

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