熊本レポート

文字の裏に事件あり

ガムを噛みながらの議会発言など非民主政治を生んだ熊本市北区4千人の有権者民度

2019-03-21 | ブログ

 日本の政治家は、特に地方議員はその資質、センスで選ばれているわけではなく、有権者の判断力、政治認識レベルで議席が与えられている。
 ツイッターでの「年金暮らしのジジィ」という不適切な投稿に続いて、無断録音という非常識的な行為から青森市議会の山崎市議が2回目の辞職勧告(全会一致)を受けた。だが、この山崎議員は2000票もの有権者による支持を受けての市議会議員。こうした予測は不可能であったという支持者の声は本音と思われるが、2000人もの市民が送り出した代表というのは、ある意味でも極めて重要な問題。
 ところで熊本市議会でも「議会に育児施設」の希望から始まり、病欠を「休暇」に修正希望したり、またまたベビーシッターを出張に同行させて、それを政務活動費で認めろと議会事務局と交渉中の女性議員がいる。例の「ガムを噛みながらの議会発言」でも話題を提供した、ワイドショー的な女性議員である。
 そのワイドショーのMCが、「子連れ出席議員を大の大人議員らが『単なるガム』を寄ってたかって責めてイジメた」と彼女を擁護。これが仮に兼業禁止規定で問題となった別の女性議員であったら、そのワイドショーは「ガムを噛んでの登壇など失礼千万」と批判の的に変えただろう。一面だけで弱者と位置付け、弱者は全て正義という間違った既成概念からの似非的な世論代表、一億総芸人と言われる中で傲慢な芸人の見解であった
 この少子化時代、収入10万円の母親が育児施設での救済を訴えるのなら共感も呼ぶが、月の報酬65万円の女性市議会議員が、ベビーシッターのアルバイト代も税金から捻出せよとか、病欠を休暇にして報酬を支払えとかは誰が考えても市民には不納得な話。
 これをワイドショーのMCらが擁護するわけだから、有権者である一部市民の意識、判断力がいかに覚束無いものであるかが分かる。
 該当議員は約4000票の支持を得て議席を得ているが、この4000票は別の意味でも極めて重い民意。市民感情が更に多種多様化すると、こうした議員の登場が増えて来ることも想定されるが、それでは誰もが理想とする民主政治が逆に破壊される可能性も想定されることは確か。
 一方、議員報酬15万円以下の地方議会が36町村もあるとなると、「議員不足」も現実として理解されるが、それが住民決議で自治が図られるという明日も想定内ながら、議会に競争意識を生む議員の大幅削減も中央から地方まで希望される。この公約なら大きな支持を得られると思うのだが、そうした候補者が出にくいというのは、やはり決定権が市民側にあるわけではなく議員、議会側に存在しているという背景か。
 そうなると現実的には現在の選挙制度の中で、市民の政治感覚を高めるという民度の問題であって、区域を限定するというのは決して誉められた話ではないが、目前の問題として熊本市議会の場合、北区11万人という有権者の判断、選択、その民度に注目されているともいえる・・・。