熊本レポート

文字の裏に事件あり

宇城広域でも見せた日立造船の敷いた熊本県下制覇 第1回

2020-06-01 | ブログ
宇城広域連合(守田憲史会長・宇城市長)における新ごみ処理施設(建設、運営)の発注先が、3月末の発表予定を2ヶ月も遅れて5月末、日立造船と内定。
途中、前舞台のような不祥事の発表を添えて(新型コロナの防疫自粛とは無縁の落札者決定延期の証明)、本舞台の修正、調整に時間を要したかのような延長であったが、1年前から懸念して、その情報を発信して来た予想通りの発注先は日立造船。
「日立造船って何んなの?」
そんな馴染みの薄い企業名となったが、九州高速道路の完成を前に熊本県が企業誘致第1号として、県北長洲町に迎え入れたのが日立造船。当時、熊本県は同社への初代天下りとして、県議会事務局長を送り込んだ程、そこに期待した誘致企業。
ところが同社、急に船は造りたくないと言い出し、環境設備専門メーカーとして熊本県から脱出。
余談ながら語ると、長洲町工場はJ F E、I H I に放り投げたのだが、この J F E 、I H I も環境施設部門は備えていて、この日立造船を「日造」として業界では競合の立場。
そんなJ F E など環境施設メーカーと日造との違いは何かというと、これが今や熊本県民には全く無縁の熊本県からの日造への天下り、その継承。現在の熊本県統括責任者は、熊本県三役の元会計管理者を務めた山本氏。
ここまでなら小さな妬みと、笑われても当然だが、同氏の天下りを機に同社は八代環境センター、菊池広域環境工場と連続大型受注をしたとなると、そこには無視の出来ない理由があった。
それは福島県での同社建設の焼却炉が爆発事故を起こすという不祥事、また大分県の宇佐・高田・国東広域では落札を否決されるという直前の背景。
この宇佐市を中心とした広域での入札では、「暴力団からの圧力があった」と競合メーカーが入札から離脱し、日造の一社入札での落札となったが、さすがに理事会の環境議員らが役割を発揮して否決。
こうした2つの不祥事は連日、新聞紙面を賑わし、議会否決は全国放送ともなったが、その後の熊本県での連続大型受注が実に意外で、これが日立造船の動向に注目した理由である。
ここで浮上したのが環境施設建設を巡ってアドバイザー、そして入札の要ともなる日本環境衛生センターの存在。
同センターの熊本所長である田北氏は、彼もまた熊本県 O B で、県では水専門の技能職員であった。それが水が専門なら火も判るという訳でもなかろうが、同センターの熊本所長に座っていたのだ。熊本県下の環境設備に深く関与し、またアドバイザーとして契約し、そして入札審査会の要という役割となると、発注先は彼次第とも推察される。今回の宇城広域連合でもアドバイザー契約を交わし、そして入札審査会の実質的なトップ。
まァ、ここで二歩、三歩退いても邪推という見解を否定はしないが、この県 O B 同士が親密度を常識で超えて、二人揃って同行営業という証でも浮上すると、適正、厳正という公共工事の趣旨は直ちに崩壊することになる。
果たして、この見解は誤りであろうか。関係者へ問いたいのは、この点である。
勿論、疑わしきは罰せずも理解するし、また二人を責める理由もないが、こうした疑惑が不正を生む余地のある事を承知で、ここまで放置した事務局、理事会は大いに問題。
こうした時系列的に事実と根拠、論理と検証を念頭に1年間、これを注視して来た結果、漏れ出て来たのが宇城広域連合の日立造船への発注内定。
そもそも同連合の宇土浄化センターにおける改築工事で、日立造船と同社100%子会社との J V に40億円弱で発注して、その1年後の「日立造船への発注内定」では、同組合との親密度は推察されるが、宇城広域で懸念する点を止められなかったとなると、今後の天草市、上益城広域も日立造船の狙い通り連、連続の同社落札というのは残念ながら想定内。
ここで誤解のないように改めて断っておくが、青点滅の歩道でも左右に気配りする身にあって、「止めろ」とは自由競争を否定するような日立造船への発注ではなく、同業他社が熊本県を敬遠するような入札、発注構図は絶つべきという意味にある。
今回の宇城広域の内定は、温厚揃いの理事会理事の顔ぶれからして、古いトラブルでお茶を濁されると、信義よりも平穏を第一として、内定通り決定される可能性は極めて高い。
1月15日、「信じるか信じないかは貴方次第」と今回の内定結果を予想したが、仮に信じる気になった人々には、次回で今回の内定が住民に与えるリスク等を述べる予定で、俯瞰の機能を働かせ、住民社会で共有する公共施設とは、どうあるべきか、その点を理解して頂けたら幸い。
また詳細は、理事会開会後にするが、該当市町村議員より、県は上級に有りである…。