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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

尖閣ビデオ流出―正義と法律、どちらが大切の白熱議論

2010年11月06日 15時21分35秒 | 日本政治
「犯人捜ししないで」8割…海保に電話100件(読売新聞) - goo ニュース
 尖閣ビデオの流出の背景や意図にについては、まだ解明されてはいません。しかしながら、もし、正義の内部告発であると仮定しますと、日本国民は、正義の問題に真正面から向き合っていることになります。

 最近、議論を通して正義を考えるマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」が話題になってきました。「白熱教室」では、”愛国心と正義、どちらが大切”という議題があるそうですが、尖閣諸島ビデオ流出問題は、さながら”正義と法律、どちらが大切”という議題になりそうです。民主党政権としては、ビデオ流出が内部の人の手によるとしますと、国家公務員法違反の事件として、厳正に処罰したいところでしょう(法律が大切派)。しかしながら、民主党政府が、最初に超法規的な措置をとって犯人を釈放し、中国の利益のためにビデオを公開せず、主権者である国民を愚弄していたことを考えますと(政府は純粋な法律派でもない・・・)、いわば、日本国に対して、政府が、反逆罪を犯していると見ることもできます。国法にも、国益にも背いた政府に対して、自国を守り、政府の不正を暴くためにビデオを流出させたとしますと、愛国心も、正義も、流出させた人の方にあることになります(正義が大切派)。

  2006年から、「公益通報者保護法」という法律が施行されており、その趣旨は、組織内部の情報を通報することが公益に適う場合には、通報者を保護するというものです。尖閣諸島ビデオ流出事件は、外部者である国民への通報となりますので、この法律の適用を受ける可能性もあります。真相は不明の段階ですが、国民は、政府も悪をなし得るということを前提に、正義の問題をしっかりと考えてゆかなければならないと思うのです。

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コメント (2)
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