万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

海上保安官―謎が謎を呼ぶ展開に

2010年11月22日 17時25分13秒 | 日本政治
「流出」保安官、陸上勤務に 海保「持病悪化」と説明(朝日新聞) - goo ニュース
 海上保安官の尖閣ビデオの公開により、日本国の主張の正しさが証明され、国民の多くが直に情報に接し、また、我が国の信頼が回復されたことは、国益に適うことでした。その一方で、週刊誌が報じた保安官に関する情報が事実であるならば、公開した目的は、謎として残ることになります。

 以前、このブログでも、保安官の動機を国益のためと信じて書いた記事を掲載したのですが、正直なところ、いささかその確信は揺らいでしまいました。何故ならば、本人の意思以外にも、ビデオ公開の決断を左右する何らかの意思が介在する可能性があるからです。週刊誌では、配偶者の方が外国籍であったと伝えておりますので、外国政府、あるいは、諜報機関の関与を推測することができます。また、海保や保安官に対する政府の批判が、急速にトーン・ダウンしたことも、何らかの背景を疑わせます。今に至って、謎が謎を呼ぶ展開になってしまったのです。

 もちろん、保安官が、救国の英雄である可能性はありますし、疑うことは、自己犠牲を省みなかった行為に対して失礼であるかもしれません。しかしながら、国政を揺るがす大事件であったがゆえに、うやむやにすることなく、真相は明らかにすべきと思うのです。

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コメント (4)
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