万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ゆとり教育は”下放”であったのか

2010年11月21日 16時09分45秒 | 日本政治
中国で新卒争奪戦 日本企業、「負けず嫌い」求める(朝日新聞) - goo ニュース
 今年の新卒大学生の内定率は、就職氷河期を下回る低水準で推移しているそうです。その一方で、企業は、外国人の採用には積極的であり、その理由として、草食系とされる日本人大卒者の競争心の欠如と学力の低さを挙げているそうです。

 日本人学生のマイナス点ばかりが強調されていますが、それというのも、最近の日本人学生の低評価は、政府と日教組の責任でもあります。何故ならば、文部科学省がゆとり教育の旗振りをして学力を低下させる一方で、日教組は悪平等を徹底し、競争させないことに闘志を燃やしてきたのですから。今になって、企業から日本人学生には人材がいない、と言われても、本人達に責任を押し付けるのは酷というものです。一方、平等主義の本家本元の共産主義体制下で育った中国の学生は、”負けず嫌いで、競争意識が強い”ことが評価されているというのですから、言葉もありません。

 中国でも、文化大革命の時代には学業が疎かにされ、その時代の人々には失業者が多いそうです。ゆとり教育とは、いわば日本版の”下放”であり、この時代に教育を受けた世代の人々は、政府の失政の犠牲者でもあるのです。民主党政権では、輪をかけて平等志向であることを考えますと、我が国の人材育成は大丈夫なのでしょうか。

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コメント (14)
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