万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北方領土を期限付きでロシアへの租借地にしては

2010年11月04日 15時38分09秒 | 国際政治
北方領土訪問は「国内向け」=一時帰国の駐ロ大使が報告―菅首相、情報収集を指示(時事通信) - goo ニュース
 ソ連邦の対日参戦の経緯を思い起こしますと、まことに遺憾と言わざるを得ません。日本国側から見ますと、既に降伏の意思を示しているにも拘わらず、日ソ中立条約を一方的に破棄し、突然に襲いかかってきたのですから。

 対日参戦は、日本国側から見ますと、合法性なき行為なのですが、ソ連は、連合国の一員であったことを理由に自らの行為を正当化しています。もし、ソ連の論理に従うならば、北方領土の占領は、連合国の一員としての軍事占領と言うことになります。しかしながら、そうであったとしても、ソ連以外の連合国は、自ら掲げた不拡大方針に従い、沖縄のように占領地を敗戦国に返還していますし、他国の一方的な併合は、”侵略”以外の何ものでもありません。

 もし、日ロの間で、北方領土問題に関する”落とし所”があるとしますと、日本側が、ソ連邦の対日参戦を連合国の一国の行為として認める一方で、ロシア側には、連合国の不拡大方針に従い、軍事占領地の返還を求めると言うものです。南樺太についても、領有権の帰属先は未定ですので、取引カードとして使えますし、ロシアが、即時の引き渡しに難色を示す場合には、北方領土を期限付きの租借地とし、期限が切れた時点で、ロシア側の投資分の補償と住民の国籍選択や永住権を保障するということであれば、ロシア側が飲めない条件ではないと思うのです。

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