万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国政府の嘘がばれた時

2010年11月01日 17時25分11秒 | アジア
「ピューっと来てゴーン」尖閣沖衝突ビデオ、議員ら証言(朝日新聞) - goo ニュース
 中国国内では、尖閣沖の事件は、日本国の海保側の巡視船が、漁船にぶつかってきたと報じられているそうです。わざわざ図解までして説明したらしいのですが、政府の説明が嘘であることがばれた場合、どのような事態が発生するのでしょうか。

 公開されたビデオでは、大幅にカットされたとはいえ、中国の漁船の方から巡視船にぶつけてきたことが分かるそうです。殉職の有無については確認できないものの、ボールは、中国側に返された形となりました。そうであるからこそ、今後の中国側の動向には注意を払う必要があります。当面の焦点は、反日デモです。連日の反日デモは、中国国民が、政府発表の情報を信じたことから起きたものとされていますが、このデモが鎮静化しないとなりますと、中国政府は、尖閣諸島を軍事占領するシナリオを、本気で描いていることになります。何故ならば、中国漁船の側に非があることが判明しても、尖閣諸島は自国の領土であるとする主張することで、船長の行為の正当化を押し通す中国政府の意図を確認することができるからです。

 このことは、中国の反日運動は尖閣諸島を手中にするまで続き、小手先の妥協をしても、何度も同じような事件が繰り返されることを意味します。中国の海洋戦略が実行に移されますと、行きつく先には、武力衝突が予想されるのですが、この問題を平和的手段によって解決する方法は、中国政府に対して、武力行使は控え、我が国の尖閣諸島領有に異議があるならば、国際司法裁判所に提訴するよう説得するか、国際法を盾に領有権主張の取り下げを求めるしかないのではないかと思うのです。それまでの間、我が国は、尖閣諸島を実力で防衛するのみなのです。

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コメント (4)
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