万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

IKEAの「日本海表記」製品全世界販売中止は災いの元

2014年12月05日 11時07分29秒 | 国際政治
イケアが「日本海」表記地図の販売中止 全世界対象、韓国反発受け(産経新聞) - goo ニュース
 イケアが韓国で販売した製品に日本海の表記があったところ、「東海」表記を主張する韓国の猛反発を受け、販売中止に追い込まれたそうです。韓国国内での販売中止は想定内なのですが、全世界対象となりますと、この判断、災いの元となるのではないでしょうか。

 イケアによりますと、全世界での販売中止の理由は商品の入れ替えに過ぎず、他意はないと説明しています。しかしながら、この発売中止、幾つかの面において、悪しき影響を残すことが予測されます。第一に、韓国のクレーマー体質を助長してしまうことです。韓国は、これまでにも、学生活動家などが、図書館に所蔵されている全世界の地図をチェックし、日本海表記の上に”東海”と記載したシールを貼るといった違法行為を働いてきましたが、今回は、民間企業に対する圧力によって、合法的に日本海表記を消すことに成功しました。この方法に全世界での販売中止効果があることが証明されたのですから、韓国は、”クレーマー方式”を、呼称変更活動の主要な手段に据えるかもしれません。第二に、日本海表記の製品が世界規模で販売停止となったことは、日本”の名が抹殺されたように感じられますので、日本国民にとりましては不快な出来事です。イケアは、日本市場における自社製品の売り上げ減少を怖れなかったのでしょうか。第一に関連して第三に予測されるのは、イケア一社のみならず、今後、日本海の表記のある商品を製造・販売している全ての企業に、コリア・リスクが降りかかることです。さらには、地名などに関してナショナリスティックな立場から独自の主張を持つ国の国民が、韓国の方法を模倣して同様の手段に訴えるとなりますと、全世界の企業は、”地名リスク”あるいは”政治リスク”を抱え込むことにもなりかねません。

 日本海は、国際的に確立した呼称であり、国際水路機関でも認められております。全世界に向けて、韓国のクレーマー効果を認めて公表するような方法は、適切であったとは思えないのです。

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コメント (2)
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