万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

今年の漢字は”税”か”嘘”か-”大人の事情”は子供以下の言い訳

2014年12月22日 15時35分50秒 | 社会
 毎年、年末になりますと、京都の清水寺では、今年の漢字を発表します。今月12日に2014年の漢字として選ばれたのは、”税”であったそうですが、今年は佐村河内氏の偽ベートーベン事件や小保方氏のSTAP細胞事件…などが相次いだため(慰安婦問題なども含まれるかもしれない…)、今年の漢字は、”嘘”こそ相応しいとの批判が寄せられているそうです(投票では、嘘は、第三位…)。

 一般からの投票で決められるために”組織票”もあり得ることから、”嘘”が選ばれなかった理由は、何らかの”大人の事情”があったとする説明もあります。最近、この”大人の事情”という言葉を、ネットやマスコミなどでしばしば見聞きします。しかしながら、この言葉、何とも言えない不快な響きがあります。今年の漢字の選出の文脈においては、”嘘”が世間の関心を集めると都合が悪い人々、つまり、虚偽事件に関わった人々が、自己保身のために”嘘”を上回る票数を”税”に投じたことを意味します。”大人の事情”とは、不正や不祥事を隠したい人々が、社会正義を要求する人々を世間知らずの子どもとして鼻であしらい、”大人ならそれぐらい分かるはず”という傲慢態度で、自らの悪行を正当化しているのです。果たして、薄ら笑いを浮かべて”大人の事情”を語る人々は、真の大人なのでしょうか。

 真の大人であるならば、たとえ自己に不利益な事であっても、誤魔化したり、隠蔽するために卑怯な手段に訴えることはしないはずです。大人ぶって”大人の事情”に逃げている人々こそ、子供よりも質が悪いのではないでしょうか。

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コメント (2)
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