万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の腐敗追及の次なる標的は海外要人・外国企業か?

2014年12月07日 15時21分04秒 | 国際政治
中国軍女性少将、収賄容疑で連行…2将軍自殺か(読売新聞) - goo ニュース
 中国では、周永康氏の共産党党籍はく奪に次いで、中国軍の女性少将さえ収賄の容疑で連行されたと報じらております。汚職追放に見せかけた権力闘争であることは明白ですので、女性少将の摘発は、人民解放軍の完全掌握を目指す習主席の執念の現れかもしれません。

 習主席とは政敵となる勢力に属する人々は、粛清の嵐に恐れをなして海外への逃亡を図っているそうですが、中国政府は、”キツネ狩り”と称して腐敗官僚を徹底的に追及する構えを見せています。逃亡官僚達の潜伏先と目される外国政府にも協力を求めており、国外にも手を広げる手法には、国際社会における大国としての中国の自負を伺うことができます。権力の集権化を特徴とする共産主義体制では、司法権は常々政治的目的に利用されるのですが、この手法、中国の汚職追放のみで収まるのでしょうか。中国が、国際的に影響力を増してきた理由としては、軍事力や経済力の伸長ばかりではなく、中国政治の特色でもある収賄やハニートラップがあります。こうした不正手段については、今回の汚職追放キャンペーンにおいて中国自らが認めているのですが、当然に、外国の要人にも仕掛けているはずです。つまり、今後、中国は、外国の要人をターゲットにして、収賄やハニートラップを政治利用する可能性が高いのです。また、中国の腐敗官僚は、外国企業からも賄賂を受け取っておりますので、贈賄側の企業もまた、腐敗摘発のターゲットとなるおそれもあります。

 民主的選挙の存在しない中国では、手段を択ばない権力闘争こそがポスト獲得の手段です。国や会社を傾けかねないのですから、全世界の政治家と企業は、中国に籠絡作戦や贈収賄によって弱みを握られないよう、細心の注意を払うべきと思うのです。

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コメント (4)
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