万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中韓のビジネス・モデルは東インド会社?

2014年12月16日 15時39分43秒 | 国際経済
 政治と経済との結びつきが強く、民間企業と雖も背後に政府の気配を感じる中国や韓国の企業。両国の企業の行動を観察してみますと、そのビジネス・モデルは、東インド会社なのではないかと疑うのです。

 植民地時代と申しますと、欧米列強が、軍事力にものを言わせてアジアやアフリカにおいて領土拡張に奔走した時代としてイメージされます。しかしながら、歴史を紐解きますと、植民地獲得に中心的な役割を果たしたのは、株式会社の祖とされる東インド会社であった事実に行き当たります。海外に通商拠点を設けた東インド会社は、現地の為政者から様々な事業特許やコンセッションを付与されることで、やがて、現地の統治権力を浸食してゆくのです。徴税権が最たるものですが、インフラの敷設・経営もまた現地支配の強力な権限となりました。今日、日本国では、中国企業による水源地の所有や中韓両国の企業の通信やエネルギー市場への参入が顕著なように、両国とも、植民地支配へのステップとなった分野ばかりを狙ってるように見えます。東インド会社の支配地は、最後には本国の政府に移譲されますが、政経が不分離状態の企業には、政治的支配や搾取を受けるリスクがあります。

 欧米諸国では、東インド会社の記憶は歴史のかなたに遠のき、無警戒に経済の自由化に邁進し、多額の中国資本も受け入れておりますが、果たしてこの状態、大丈夫なのでしょうか。21世紀は政経が分離したグローバル経済の時代と安心しきっていたところ、絶滅したはずの恐竜に出くわす、ということにならないでしょうか。

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コメント (2)
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