万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

アンジー監督が制作する毒入り映画

2014年12月06日 15時57分59秒 | 国際政治
 ハリウッドの女優であり、映画監督でもあるアンジェリーナ・ジョリー女史は、第二次世界大戦時おける日本軍による捕虜虐待を描く映画を製作したそうです。アメリカと欧州では、既に公開が決定されているとのことですが、一体、この映画、何を目的にしているのでしょうか。

 未公開の映画ですので詳細は分からないのですが、美談や英雄が大好きなハリウッドのことですから、虐待された捕虜と虐待した日本兵との和解を感動的に描き出すのかもしれません。しかしながら、ハッピーエンドの筋立てであったとしても、結末に至るまでのプロセスにおいて、捏造や事実誤認が散りばめられいるとしますと、日本国にとりましては、極めて忌々しき事態となります。当映画の原作には、”(日本の)古来からの人食いの風習で生きたまま食われた…”とする表現もあるそうです。仮に、映画の中で、残虐なシーンと共に出演者が”日本人は、昔からこうやって人を食べてきたのだ…”というセリフを語ったならば、観客の脳裏には、日本人=人食い人種とするイメージが焼付くことでしょう。主人公であるルイス・ザンペリーニ氏は実在の人物でもありますので、誰もが、このセリフを事実として信じ込むかもしれません。日本には、人食の風習などあるわけもなく、古来、殉職を禁じて埴輪に代えたように、人命を尊重してきました。人食どころか、仏教の影響のもとで、早くも675年には狩猟が禁じられています。実際に人食いの習慣があった中国大陸や朝鮮半島ならまだしも、ありもしないカニバリズムの汚名を着せられたのでは、日本国の名誉にかかわります。

 アンジー監督は、敵味方に分かれて戦ったもの同志の和解を美談仕立てで映画化しながら、その実、日本に対する誤解と憎悪を植え込むシーンを巧妙に紛れ込ませているとしますと、この映画、毒入り映画なのではないでしょうか。悪魔は、善から悪を引き出すとも申します。

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コメント (4)
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