万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日米関係を悪化させた「アンブロークン」

2014年12月28日 16時17分21秒 | アメリカ
アンジー監督の問題作「アンブロークン」が初日首位 正恩氏コメディーは興収100万ドル(産経新聞) - goo ニュース
 北朝鮮のトップ暗殺を描いた「ザ・インタヴュー」は、明らかにフィクションの映画です。ところが、アンジェリーナ・ジョリー監督が制作した「アンブロークン」は、ノン・フィクションの小説を映画化したため、真実のストーリーと銘打っております。

 映画の舞台は大森捕虜収容所であり、捕虜となったアメリカ兵が日本の軍曹から酷い虐待を受けるというものです。日本では公開されておりませんが、延々と1時間も虐待シーンが続くのみならず、人食や人体実験をさも事実化の如くに描き込んでいるそうです。事実確認のために、ネットにおいて調べてみたのですが、大森捕虜収容所にはモデルとなった渡辺睦裕軍曹が勤務しており(映画内では別の収容所名らしい…)、オリンピック選手でもあったサンペリーニ氏もまた実在の人物です。ですから、登場人物の実在性については”真実”であり、渡辺軍曹が、他の日本兵からも怖れられるほど暴力的であったことも事実とされております。しかしながら、渡辺軍曹は、日本兵の中では極めて稀な行動を見せた人物です。戦後は戦犯に問われながら逃亡を続け、1954年には『アメリカに裁かれるのは嫌だ』とする著書まで出版しております。少例をもって日本兵が一般的に残酷であったとする映画を製作し、かつ、明らかに事実に反する人食や人体実験を紛れ込ませる手法は、観客を騙すことになりますので不誠実です。慰安婦問題と同様に、「アンブロークン」は、拡大解釈と日本人に対する偏見と敵意に満ちているのです。しかも、映画において日本の軍曹を演じた俳優は、民潭の協力でリクルートした在日韓国人の2世なそうです。

 「ザ・インタビュー」は、中小の映画館での公開となったため、初日の興収は1億円ほどなそうですが、「アンブロークン」は、18億を記録して初日首位とも報じられております。米朝関係は、休戦状態であれ、敵対関係ですが、日米両国は同盟国です。「アンブロークン」は、明らかに日米関係を悪化させておりますので、アンジー監督が、日米同盟の弱体化という政治的な意図でこの作品を制作したとしますと(資金面における中韓のサポートが指摘されている…)、平和主義者の仮面を被った偽善者であると思うのです。

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コメント (8)
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