万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自浄作用が働いたタイ王室-日本の皇室は大丈夫?

2014年12月13日 14時59分16秒 | 社会
皇太子妃、「王室の地位」返上=王位継承にも影響か―タイ(時事通信) - goo ニュース
 タイの王室の伝統や慣習については詳しくは分からないのですが、皇太子妃が、親族が汚職事件に関与したことを理由に王室の一員としての地位を剥奪されると報じられております。タイでは、自浄作用が働いたようですが、日本国の皇室は、大丈夫なのでしょうか。

 タイの皇太子夫妻は三度目の再婚とのことですが、先日の報道では、渦中の皇太子妃は、風俗業の出身であったそうです。こうした結婚が許されたのも、おそらく、王室や皇室において自由に婚姻相手を選ぶことが当然視されるようになったからではないかと推測しますが、今回の事件は、王位や皇位継承者の自由結婚には、リスクが伴うことを示しております。王室であれ、皇室であれ、その地位は、国民の尊敬と信頼を受けてのものです。神聖性の継承を意味する王家の血統や皇統が自由結婚によって希薄化しているのですから、尊敬や信頼をも失う行為は、存在価値を著しく損なう結果を招きます。況してや、犯罪や不正に関わったともなれば、国家や国民の安全や権利を害し、国家レベルでの社会的腐敗という脅威に転じることとなります。タイ王室は、王室に対する国民の崇敬の念が消え去ることを事前に防止するために、地位剥奪を英断したのでしょう。一方、日本国の場合はどうでしょうか。日本国では、姻族に特権を与える慣習はありませんが、小和田氏に関しては、三代前が出自不明なことに加えて(国民が安心できない…)、機密費流用問題、政治介入、水俣病に対する責任問題、公費流用、皇族特権の私物化、創価学会との関係…など、悪しき噂が絶えないにも拘わらず、”菊のカーテン”に手厚く守られる特権を享受しております。その一方で、日本国のマスコミもまた、礼賛一辺倒で幻想を振りまいており、実態を無視した過剰な演出ぶりは北朝鮮(『1984年』の世界?)を彷彿させます。

 残念ながら、もしかしますと、国民が、疑うことなく王室や皇室の善良性を信じる時代は過ぎ去ってしまったのかもしれません。日本国もまた、既に状況が変化してしまったのですから、今後、どのように対処すべきか、正直、かつ、誠実に議論する時期に差し掛かっているように思えるのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。



にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする