万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

マララさんのノーベル賞受賞-21世紀が抱える野蛮との闘い

2014年12月10日 15時35分16秒 | 国際政治
マララさん「本で未来が変わる」=授賞式控え記者会見―ノーベル平和賞(時事通信) - goo ニュース
 史上最年少でノーベル平和賞を受賞するマララ・ユスフザイさん。マララさんの受賞は、21世紀が抱える野蛮との闘いを象徴しているのかもしれません。

 20世紀は、植民地化されていたアジア・アフリカ諸国が相次いで独立を達成したことにおいて、諸民族が自らの権利を回復した時代として記録されています。本来であるならば、主権国家が対等に並び立つ世界が出現することで、大団円を迎えるはずなのですが、21世紀の今日の世界を見渡しますと、まだまだ解決すべき多くの問題が残されていることを認めざるを得ません。その一つは、国家としての独立は達成したものの、人権状況が著しく劣悪な国や地域が出現してしまっていることです。植民地支配の重しは取れたのもの、少年を強制的に兵士にする、内臓を売買する、女子の教育を認めない、あるいは、マララさんが直面したように、教育を受けたくても暴力で阻止される場合には、その社会が、善き社会であるとは言えないように思われます。しかも、独立主権国家である限り、国際社会や外部の諸国が救済の手を差し伸べることは極めて難しいのです。この困難さは、異教徒の女性を人身売買しているISISにも表れています。

 全ての国家は、独立国家の立場に胡坐をかかず、自らの国を統べる権利を手にしているのですから、自国内の野蛮な行為に目を瞑ることなく、善き社会を目指すべきです。自国の悪しき部分を自らの手で克服してこそ、全人類の発展はあるのではないでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする