万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”慰安婦資料”記憶遺産登録問題-鍵を握るオランダ

2015年10月19日 16時08分01秒 | 国際政治
 先日、中国が申請していた”南京大虐殺”関連資料がユネスコの記憶遺産に登録された一件は、日本国に衝撃をもたらしました。同時に申請されていた”慰安婦資料”は却下されたものの、二年後の登録は確実視されているとの情報もあります。

 将来的な登録が見込まれている理由は、審査に際してユネスコ側が、中国に対して韓国やオランダといった他の諸国との国際共同申請を勧めているからです。言い換えますと、ユネスコ側は、国際共同申請の形態であれば登録ができるとアドヴァイスを与えた可能性があるのです。2017年に単独申請を目指している韓国は、政府としては慎重姿勢とも伝わりますが、ユネスコ側の本命は、オランダではないかと推測されます。何故ならば、インドネシアで起きたスマラン事件は、戦後、国際軍事裁判で有罪の判決を受けており、日本国政府も、この事件については公式に認めているからです。韓国は、自国に関しては、二転三転する元慰安婦の証言以外に証拠らしきものがないためか、これまで、慰安婦問題の”証拠”としてこの事件を利用してきました。つまり、虚実を入り混ぜることで、”20万人朝鮮人女性慰安婦強制連行説”の”事実としてイメージ流布”を図ってきたのです。記憶遺産の審査に際しても、中韓のみの資料では信憑性が低いため、オランダの裁判記録を要すると判断したとしても不思議はありません。

 この推測が正しければ、日本国政府は、即、オランダに対して働きかけを開始すべきです。戦後の日蘭関係を見ますと、1956年に議定書を締結することで、占領下にあって拘留されていたオランダ人に対して見舞金を支払っており、かつ、アジア女性基金からも、被害を訴えたオランダ人女性に対して見舞金が拠出されています。こうした過去の謝罪と償いを説得材料として、日本国政府は、オランダ政府に対して”慰安婦資料”の国際共同申請への参加を思い止るよう要請すべきではないかと思うのです。

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コメント (2)
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