万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

厚労省は体内被曝防止剤の早期承認を

2011年04月03日 16時12分04秒 | 日本政治
「安定ヨウ素剤」増産したいが… 日本、埋蔵世界一、「壁」は停電(産経新聞) - goo ニュース
 福島第1原発における事故が発生して以来、放射性物質に関する国民の関心は、否応なく高まることになりました。連日のようにマスコミでも取り上げられ、放射性物質の名を聞かない日はないぐらいです。

 数ある放射性物質の中でも、特にヨウ素131とセシウム137については、水溶性であるためか、空気、食物、水などを通した摂取が心配されています。ヨウ素131については、「安定ヨウ素剤」を予め飲んでおけば、甲状腺がんになるリスクは低減し、半減期も短いこともあり、対策次第で健康被害を避けることができます。「安定ヨウ素剤」は、国内の製薬会社で製造・販売されており、品薄とは言え、入手する機会があります。一方、半減期が30年と長いセシウム137については、日本国内では、厚労省の承認薬はないようです。アメリカでは、2003年にドイツの製薬会社で開発されたRadiogardaseという薬をFDAが承認しており、一定の安全性は満たしているようです。

 我が国では、原発事故は”あり得ない”ということを前提としているため、こうした薬品の開発や承認には、消極的であったようです。しかしながら、人が管理している以上、100%安全ということこそ、”あり得ない”のですから、医薬品面での準備を怠るべきではなかったと思うのです。原発事故の処理は長期化する見通しも伝えられていますので、厚労省は、国民の健康被害を抑えるべく、被曝対策の医薬品の承認を急ぐべきなのではないでしょうか。

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2 コメント

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UNKNOWNさん (kuranishi masako)
2011-04-04 09:49:15
 飲酒運転や未成年者のたばこについては、本人への啓発により、それを防ぐことができます。いわば、自発的な選択によって、癌の発生確率を高めているのです。一方、原発事故の場合には、国民は、自らの選択で解決することはできません。東大の先生が、放射線のレベルについて説明したのは、本人の選択で許容できるレベルと等しい、ということを言いたかったのではないでしょうか。もちろん、両者とも、健康に害を与えると言う事実は変わらないのですが・・・。
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Unknown (UNKNOWN)
2011-04-03 20:09:41
 そういう薬があるのなら許可すればよい。ただ、薬には、すべて副作用がある。そっちが致命的では許可しないほうが良い。
 一番良いのは”逃げる”ことじゃ。放射能に敏感な胎児、乳児、幼児、子供はとくに。
 リタイアした爺、婆は放っておいてもよいだろう。放射能で死ぬか、それとも、他の病気で死ぬかの区別がつかないから。
 ”放射線のレベルが、この程度なら、1万分のいくつか、癌のリスクが増すだけ”と東大の先生が言っていたけど、他の事例で置き換えてあげよう。
 ”飲酒運転しても、1万分のいくつか事故を起こす可能性が増すだけだ”
 なら、飲酒運転を取り締まるのは止めよう。
 ”未成年がタバコを吸っても、1万分のいくつか肺癌のリスクが増すだけだ”
 なら、未成年からタバコをじゃんじゃん吸って国庫に貢献しなさいと言えば良い。
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