万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の”オウム返しの術”―罪を帳消しにしたい心理

2011年08月03日 15時30分07秒 | アジア
中国当局、英紙盗聴疑惑を批判…まさかの反応(読売新聞) - goo ニュース
 一般的には、罪と罰とは一対の関係にあり、罪を犯せば罰を受けるのは当然のことです。ところが、中国や韓国、あるいは、北朝鮮といった大陸諸国は、しばしば、”オウム返しの術”を使い、逆に相手を追い詰める作戦に出ます。

 ”オウム返しの術”とは、自分の犯した罪と同じ罪を、”相手も行っている”と言い立てて、批難し返すことです。この術を使う背景には、本来、自らの罪を謝罪し、罰を受け入れなければならないところを、相手に同じ罪を着せることで、帳消しにしたい、とする心理があります。”オウム返し”をしても、実際には、事実も罪も消えるわけではないのですが、自分の罪と相手の罪を均衡させることで、罪人や失敗者として下を向くことなく、自らの自尊心を保てると考えているのです。ですから、できるだけ、居丈高に振舞い、相手の非をあげつらう必要があるのです。この態度は、罪や批難から逃れたい意識の裏返しでもあります。

 中国などでは、こうした手法は常識であり、半ば条件反射と化しているようですが、国際社会では、この術は通用しません。呆れられるだけなのですから、”オウム返しの術”を使っても、何も解決しないことに、そろそろ気付くべきと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-08-13 02:44:50
最近の、毎日新聞の読者の投稿コーナー
日本人名で2名
中国の高速鉄道事故の日本の報道に対して、日本は中国を批判出来るのか?!的、内容の投稿が掲載されてました
連続で

政府はメルトダウンを隠していた!と
確かに隠ぺい体質はあった
が、福島に死者は出てない
証拠隠滅の為、車両を埋め、生存出来る可能性がある者を葬り去った
同系列に語れる一般日本人てww
ネット普及前の新聞の投稿コーナーは有効なツールになった

日本はアジア諸国にこんな酷い事をした
私は目撃した
日本人は反省してない

そんな内容の葉書がよく掲載されてた
一般庶民の日本人が書いたとされる葉書が、投稿コーナーに掲載され、読んだ人に影響を与えた
誰でもPCが買えるようになり、皆がブログをやるようになって、新聞の一般人参加コーナーは洗脳のツールにはならなくなった
残念ww

そんな事にも気づかず彼らは永遠に、洗脳とオウム返しを続けるだろう
返信する
Unknownさん (kuranishi masako)
2011-08-13 08:31:06
 ネット社会の到来は、情報発信源を独占し、情報そのものを操作していたマスコミの影響力を低下させたことにおいて、言論や出版の自由を拡大させたのではないかと思います。もしかしますと、”出版の自由”という言い方は、過去のものとなり、ネットが有効なツールとなる今日では、”情報発信の自由”と言い換えた方が適切であるかもしれません。中国当局は、この変化にまだ気付いていないようなのです。
返信する

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