アメリカの二大政党制は、現状を見る限り既に限界に達しているかのようです。とりわけ、昨日の記事で述べたように、両陣営の拮抗状態は人為的な操作が加わった可能性が極めて高く、外部からのコントロ-ルを疑って然るべき状況にあります。同コントロールの最大の目的は、二頭作戦、即ち、国民がどちらを選んでも行き着く先が同じ、というものであり、有権者の自由意志による選択を大義名分とした巧妙な作戦としましょう。もっとも、近年のアメリカ大統領選挙には、二頭作戦のみならず、もう一つの目的が潜んでいるように思えます。
現職のジョー・バイデン大統領が選出された前回の大統領選挙では、不正選挙疑惑をめぐる大混乱が生じています。この時も、トランプ候補の優勢が報じられながらも、今般の大統領選挙と同様に両者の支持率は凡そ拮抗していました。そして、事前の世論調査において両陣営の支持率が僅差であったことが、民主党陣営による不正選挙を可能とした、あるいは逆に、共和党陣営が不正選挙を訴えるだけの根拠を与えたとも言えましょう。国民からしますと、マスメディアが両者拮抗を報じている状態であれば、実際に不正選挙が行なわれたとしても分かりづらく、逆に仮に不正が行なわれなかったとしても、国民が不正選挙を疑うに十分な状況にあったことになります。
また、大手マスメディアの報道姿勢が民主党寄りに大きく偏向していることも、不正選挙疑惑を強める要因でもあります。マスメディアの報道の極端な偏りと事実の歪曲さについては、前々回の大統領選挙において、常時優勢が伝えられたヒラリー・クリントン候補の敗北によって既に明らかにされています。マスメディアの報道と有権者の意識との間に著しい開きがある場合、少なくない国民が、マスメディアが推す候補が選挙戦で勝利を納めたとしても、その結果に対して懐疑的となるからです。身近では評判が芳しくなく、支持者もそれ程多いとも思えない候補者が当選したのは、裏にあって不正がおこなわれたからなのではないか、という・・・。
近年、アメリカでは選挙に際して不正が行なわれやすい郵送による投票や期日前投票等のみならず、電子投票や開票システムが広く導入されており(前回選挙のドミニオン疑惑・・・)、デジタル上の数字の改竄によって結果を変えることが技術的には可能な段階に至っています。悪意と専門知識を有する集団があれば、組織的に不正を実行しようとすればできないわけではありません(投開票に際してのチェックの甘さも指摘されている・・・)。むしろ、不正がなかったことを立証する方が難しいとも言えましょう。
アメリカの選挙を取り巻く不透明で混沌とした状況は、国民を選挙結果に対して疑心暗鬼にさせ、自国の民主的選挙制度に対する信頼を喪失させるに余りあります。そして、民主主義に対する国民の深い絶望と諦観を伴う政治の混乱、並びに、双方の不信感に起因するアメリカ国内の社会的対立の激化こそ、外部の介入者がその実現を狙う第二の目的であるのかも知れないのです。
実際に、前回の大統領選挙では、トランプ元大統領が不正選挙による敗北を主張したため、国会議事堂への乱入騒ぎも起きています。同事件については、民主党側による自作自演説もあり、事の真相は定かではありませんが、民主主義国家にあって暴力沙汰が起きたことだけは確かなことです。また、今般の大統領選挙にあっても、仮に再びトランプ元大統領が不正選挙によって敗北する事態ともなれば、アメリカは内戦になるのではないか、とする憶測も流されています。そして、報道によれば、大統領選挙をめぐる混乱は人々に強いストレスを与えており、かつては国を挙げての一種の‘お祭り騒ぎ’であった大統領選挙は、今日では全くもって様変わりしているのです。
4年ごとの大統領選挙の度に、アメリカという民主主義国家が崩壊してゆくようにも見えるのですが、同国も、根本的な統治制度の見直しを必要としているのかも知れません。世界権力からの不当な介入を排し、民主主義をどのように制度化してゆくのか、この問題は、全ての諸国に共通する重要課題であると思うのです。