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謹啓、池田省三教授殿!

未だ面識を得ませんのに、ブログで紹介させていただくご無礼をお許しください。

私は、生まれて初めて7月に出版した単著『スウェーデンの高齢者ケア』の中で、池田先生の論文の一部を取り上げて、名指しで批判しました。先生はご自身の論文の中で、スウェーデンでは、介護ニーズの低い高齢者に介護サービスを提供されていないと、第3者からの間接情報に基づき、断言されておられました。

普通であれば、ムーディー勝山のように「左から右へ」受け流すところですが、池田先生は日本の介護保険の現在だけでなく将来の制度設計に携わるVIP教授です。

スウェーデンのお話も、日本の介護保険の将来設計に関連付けて論文を書いていらっしゃいます。

そのような社会的影響力の絶大な先生であるからこそ、私のエビデンス(証拠)を示しつつ敢えて名指しで批判させていただきました。

研究者の業界では、こうした名指しの批判は、一方通行で終わる場合がほとんどだと思います。

ところが、池田先生は、そのへんのVOP教授とは全く異なる振る舞いをされました。

日本看護協会出版会発行の月刊『コミュニティケア』2007年11月(Vol.9 No.14)108号のp.8におきまして、キョトンCによる批判点を丁寧説明され、また私の本の情報をお示しになりました。そして今回は、自己反省を文章で表現された後、スウェーデン社会庁の報告書のデータによるエビデンスを正確に示しつつ、ご自分の見解を展開されました。

先生は研究者の鏡です。素晴らしい!

先生は介護保険を現状を維持しながら将来の制度設計を推進するお立場。私は、介護保険の現行システムを批判し改善を求める立場(特にマークシートによる82項目の基本調査のうち、10数か所については致命的な問題点があり大至急改善していただきたい!)。全く逆の立場ですか、今回の研究者としての誠実な真摯な態度には、心打たれました。

そこで、

<今、会いに行きます!>

と言いたい所ですが、めまいと立ちくらみがするほど忙しいので、

年度末に、龍谷大学の先生の研究室にお邪魔したいと思います。

私は、敢えて池田先生に著書をお送りしませんでした。

なのに、今回の池田先生の冷静な自己反省の態度とその後に続く実証的研究の展開。

頭が下がります。


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