今年、MLBをまともに見たことってありませんでした。いや、日本の野球も最初から最後まで楽しみながら見るということもなくなりました。昨日初めて開始から終了までフルに見ることができました。かなり入れ込んでたんですね。
昔のことを言うと、キリがないけれど、昔は試合開始から終了まで、18時から22時くらいまでずっと見ていることができました。それが一つの幸せでもありました。今は、何だか気が散って、すぐにイヤになってしまいます。
私の老化のせいでしょうか。そうかもしれない。
それだけかな。それだけかもしれないけど、見ていて「何だかつまらない」とイライラしてしまうのはどうしてなんだろう。どっちが勝とうが負けようが、どっちでもいい、というのもあるかもしれないくらいに、何か私の心構えが変わりましたね。
三重県に住んでますけど、三重県は、中日でもないし、阪神でもないし、自分たちのチームを持っていない、というのもあります。野球という競技を追いかけられるのは、今三重テレビでやっている高校野球の三重県大会、それで終わりです。あとはすべてよそでの出来事であり、よそ事でした。
テレビでも何でも、いつもチームを意識するチャンスがあれば、そのチームを応援できるんでしょうか。サッカーのプロチームは二つできて、有名な三浦某選手が51歳で入団とかで、地元では騒いでますけど、確かに活躍してきた選手ですけど、輝いてたのは90年代の初めで、もう30年前でした。その選手に期待しなきゃいけない私たちって、何なんでしょう。
昔は、大阪に住んでいましたから、かなり昔ですけど、18時からサンテレビというところでタイガースの試合を最後まで見ることができました。それで好きになれたんだろうか。いや、若い時は何か地元のものにこだわりたくなっただけなのか。
よくはわからないですけど、タイガースは、好きにはなれなくなりました。日本一になったとしても、感激するとか、道頓堀に集まって大騒ぎするとか、もう今の感じでいくと、ないでしょう。
確か、1985年の初めての日本一のとき、日本シリーズは、テレビで見ませんでした。まだ結婚してなかった当時の彼女と、正倉院展を見に、奈良をフラフラ歩いていました。11月の初めでした。
リーグ制覇した時の歓喜もあったと思うけれど、当時の私は、そこから少し距離を置いて、ささやかに喜ぶ人だったんでしょう。
90年代の初めに、三重県に住むことになって、MLBというものを知ることになりました。衛星放送でお昼くらいにずっと中継されていました。向こうは日本の朝から昼にかけて、その時間帯で野球をやっているようでした。
東海岸から西海岸まで、時差はあるのだから、テレビでもなるべくたくさんの人に見てもらえるように、全国ネットも地方局も、いろいろな形で地元のチームを追いかけているようです。
それを日本のNHKさんがチョイスして、いろんなチームを見せてくれていました。ナショナルリーグとアメリカンリーグ、どちらかをひいきするということはありませんでした。
アメリカンリーグの方が、ヤンキース、レッドソックス、ホワイトソックスなど、有名なチームがあったでしょうか。みんな東海岸のチームでした。
ナショナルリーグは、ドジャースのほかには、ジャイアンツ、ほかにはメッツ、ほかには？ あまりピンとくるチームはありませんでした。
でも、実は、ナショナルリーグの方が、渋くてたくましい、古き伝統をつないでいるチームもたくさんあって、中度地区のレッズ、カーディナルスなど、目立たないけど、老舗球団となっているところがあるようでした。
ジャーナリストのＤ．ハルバースタムさんの『さらばヤンキース』（1989）は、1964年のヤンキースとカーディナルスのワールドシリーズまでの日々が描かれていて、黄金時代だったヤンキースが、伝統あらくれ集団のカーディナルスに（どういうわけか）敗れてしまうお話でしたけど、全くそういうのを知らない私でも、「ああ、ヤンキースのミッキー・マントルという選手を見たかったなあ」と思わせてくれるお話でした。ヤンキースがメインで書かれてはいるけれど、対するカーディナルスの面々の味わいもありました。それが物語として成立する力になったんでしょう。
野茂選手がドジャースに行ったのは、94年でしたか、そのあたり。それからは中継はドジャースばかりになって、なんだかなあと思うようになり、イチローさんがマリナーズに行けば、マリナーズばかリ。そして今は、大谷くんがエンジェルスなので、そこばかりです。
実は、いろんな球団が、それぞれの味を出して、それぞれの活躍をしてるんですけど、そういうのは伝わりません。
まあ、日本にいても、楽天やら、千葉マリーンズやら、埼玉ライオンズのことをほとんど知らないのと同じです。
もうキリがなくて、私は野球を諦めました。年に数回テレビで見るばかり。あとは何も知らない。でも、ワールドシリーズのシーズンになると、テレビに戻ってくるんです。そこに何かドラマを感じるからなんでしょうね。
