友だちに誘われて、「燃えよ剣」(司馬遼太郎さん)を読み始めました。たいていの司馬作品は読んだつもりでいますが、これは読んでいないもののうちの一つでした。新選組とか、幕末ものとか、もういいやと読まないことにしていました。
なにしろ、本を読むのが遅くて、ものすごく時間はかかってしまうし、だったら違う世界の本を読みたいということで、ある程度知っている世界には深入りしないことにしていた。
それでも、年をとったせいか、知っている世界をもう一度違う観点から見てみたい、できればエンターテイメント的な部分も欲しいなと、初チャレンジしてみました。まだほんの少ししか読んでいません。
気になるところがあったので、メモすることにしました。上巻のP153にありました。
近藤の唯一の愛読書は、頼山陽の『日本外史』であった。日本外史は、権力興亡の壮大な浪漫(ロマン)を描いた一種の文学書で、その浪漫のなかでも、近藤のなにより好きな男性像は、楠正成であった。
楠正成は、南北朝史上のある時期にこつぜんとあらわれてくる痛快児である。それまでは、河内金剛山にすむ名も無き(鎌倉の御家人帳にものってない)土豪だったが、流亡の南帝(後醍醐天皇)から「われをたすけよ」と肩をたたかれたがために、たったそれだけの感激で、一族をあげて振るわざる南朝のために奮戦し、ついに湊川で自殺的な討死をとげた。頼山陽はその著でこれを、日本史上最大の快男児としてとりあつかっている。
楠正成は、南北朝史上のある時期にこつぜんとあらわれてくる痛快児である。それまでは、河内金剛山にすむ名も無き(鎌倉の御家人帳にものってない)土豪だったが、流亡の南帝(後醍醐天皇)から「われをたすけよ」と肩をたたかれたがために、たったそれだけの感激で、一族をあげて振るわざる南朝のために奮戦し、ついに湊川で自殺的な討死をとげた。頼山陽はその著でこれを、日本史上最大の快男児としてとりあつかっている。
近藤さんと楠さん、本を通して知り合いだったんですね。というか、近藤さんのすごいあこがれがあったということらしい。
それで終わるのかなと思ったら、続きがあるようでした。
英国にもこんな例はある。
伝説だが、有名な獅子王リチャードのとき、リチャード王が十字軍遠征で国を留守にしているすきに王弟が国を簒奪(さんだつ 奪うという意味ですね)しようとした。その王権擁護のために立ち上がったのが、シャーウッドの森の土豪ロビン・フッドで、この森の英雄の痛快無比な物語は、いまも英国人の愛するところだ。
伝説だが、有名な獅子王リチャードのとき、リチャード王が十字軍遠征で国を留守にしているすきに王弟が国を簒奪(さんだつ 奪うという意味ですね)しようとした。その王権擁護のために立ち上がったのが、シャーウッドの森の土豪ロビン・フッドで、この森の英雄の痛快無比な物語は、いまも英国人の愛するところだ。
そうか、ロビン・フッドだったのか。ウイリアム・テルとはまた別の世界ですね。あまりよく知らないな……。
★ あれから二年、「燃えよ剣」は下巻で挫折してしまいました。やっぱりね。そういう気がしてたんだ。挫折したものが、蘇るには、何かきっかけが必要です。
そして、蘇った時には、やっと全体が見えて、「ああ、よかった」とでも感想を書くと思われますが、根気が続かなくて、私なんて、そんなものなのだと思います。私らしいなと思うばかりです。(2020.4.4)