甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

そして、人生はつづく プリンセスを慕って

2020年04月30日 21時36分49秒 | Back To The 80's

 もう四十数年の友だちが金沢に住んでいます。兼六園からも近く、川のすぐそばの昔からの集落の、道路が城下町風の、区画整理されていないゴチャゴチャとしたところに、彼のおうちはあります。

 十何年前、彼のおうちを初めて訪ねた時、ご両親がおられて、彼はご両親の介護をしていました。学生時代から、一人っ子だし、共働きのご両親のお世話をいつかはしなければならないのだと彼は思っていたし、ご両親もそれを期待されてたみたいでした。

 しっかり者のお母さんだったから、将来は大丈夫だろう、なんて、ボクは思ってたけど、この前にお訪ねした時は、お母さんがとてもしんどそうで、ボクがおうちの中に入りこんでも、お母さんは無表情に何かを食べておられて、ことばも発せられなかった。

 お父さんはまだ会話ができたんだけれど、体力的にしんどそうではありました。彼はお仕事をやめ、介護の24時間を過ごすことを決め、寝るところもご両親にはさまれたところで寝ていて、あの元気者の彼が、期待されてたこととはいえ、今こんなふうに過ごしているのかと悲しくはなりました。でも、今、あの時の彼のことを考えてみると、小さい時お世話になったご両親にずっと一緒にいられるというのは、しんどいけど、一つの幸せだったのかどうか。甘っちょろいボクには分かりませんけど、そんなに不幸せみたいには感じられなかったんです。大変だなとは思ったんだけど。

 でも、それは仕方のないことであり、彼も納得してこの道に進んだことでしょう。

 それからしばらくして、ご両親は亡くなられ、彼一人だけが取り残された。

 彼は、好きな人はいても、好きだと言えない人だし、いつも若くてキレイな女の子にしか興味がないんだから、自分はいくつのつもりだよ! と突っ込みたくなるけど、そんな人だから、今もポツンと金沢の町中で暮らしています。

 そして、毎日、お仕事前に、金沢の天気と、その日の仕事の開始時間をメールで教えてくれます。

 仕事場に、かわいい子も見つけたみたいだけど、その子は違うところに職場が変わったとかで会えなくなったそうで、その寂しさも伝えてくれます。でも、それはどうしようもなくて、彼と一緒にいていいと思ってくれる女性の出現を祈る気持ちです。

 ホントに好きかどうか、わからなかったら、とにかく「付き合って!」とお願いして、ダメだったら、諦めて、次の人を探すしかないと思うんだけど。もうトシだから、踏ん切りがつかないのかな。もう突進するしかないと思うんだけど。

 突進しないということは、その人への気持ちが本物ではないということではないのか、なんていうのを夏目漱石先生の小説で読んだ気がするんだけど、彼はこのトシになっても、実践してないんだから、いけないよな。

 今度、彼に話してみよう。今からでも遅くないぞ。好きな人はいるはずだから、その人に気持ちを伝えろ! と、言ってあげよう。9月まで彼には会えないけどな。





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