昨日、稀勢の里の優勝には感動しました。でも、本当に大阪の人々には参ったなあという気持ちにもなりました。ものすごく盛り上げてくれるのはいいけれど、何だか自分本位で、こんなに盛り上がってていいの? と、心配にもなりました。
国歌斉唱の場面、それはもうみんな高らかに声を合わせて歌っていました。夕飯の準備で忙しいうちの奥さんも、さすがにその声にびっくりしたのか、「みんな歌っているね」とチラッと見ただけで、そんな印象を持ったようです。
確かに、みんなで歌っていたような感じでした。そうです。いつもなら少しは帰っていくお客さんがいるのに、みんなが表彰式を見よう、歌も歌おうという雰囲気で、会場全体が1つになろうとしていた。
一方、稀勢の里自身は、気持ちが高ぶったのか、ようやくここへ来て涙を流していた。こんな盛り上がりやすい、東京とは少し違う変なお客さんたちの中で、何だかわからないうれしさがこみ上げてきたんでしょう。インタビューのテレビ中継はなかったけれど、そこまではお客さんたちは見とどけたことでしょう。
ナンバの体育館を出た後も、何とも言えない高揚感を抱え、みんなウキウキして家に帰ったんだろうか、うれしさ気分でどこかでお食事でもしたんだろうか。
みんなうれしかったんですね。
それと同じように、みんな照ノ富士が許せなかったみたいでした。それは14日目のことでしたか。関脇転落の琴奨菊が10勝すれば大関にカムバックできるといこところで、八勝五敗までこぎつけて、一敗もできないところに追い込まれていた。対するは一敗で稀勢の里を追いかけていた照ノ富士で、お客は真っ向勝負の力対力の取り組みを期待した。
すると、照ノ富士は右に変化して、突っ込んだ琴奨菊はすってんころりんと転がってしまう。もうお客はブーイングをならします。
照の富士は、一敗ではありましたが、終盤に来て持病の膝が悪くなっていたようでした。だから、なるべく無理はしたくないし、土俵際で粘るとか、そういうことは避けたかった。おまけに琴奨菊はいつまでも自分のペースの立ち合いで、こちらがちゃんと構えているのに、なかなか立たない。一度こちらからつっかけてしまったら(先に相手の方へ飛び込んでいったら)、琴奨菊は立てなくて待ったがかかります。琴奨菊はキミに合わせられなくてゴメンというしぐさ。ああ、もうまどろっこしい。いつでも立てるくらい準備万端にしてほしい。
2回目の立ち合いでは、向こうは焦って出てくるだろうから、変化してやろうという気持ちに変わるのは自然なことなのです。勝負ですから、仕切りからずっと勝負は始まっているわけで、相手が何も見ないでとりあえず突っ込んでくるのがわかっていて、それをスルリと外したら勝てるかもしれないと思ったら、外してしまうのもアリなのです。
そして、見事に琴奨菊は転んでしまった。まるで受け身の練習を土俵の上でやっているみたいにきれいにクルリと回転した。
大阪のお客も琴奨菊も「仕方がない」とは思ったけれど、でも、お金を払って見に来ているんだから、もっとおもしろいものを見せろ! という気持ちもあったんでしょうね。ぶつからずに相手の突っ込みをかわすのが何だか許せなくてブーイングした。
そういう気持ちをみんなが共有して、千秋楽の昨日は、もう照ノ富士は、お客もみんな敵に回っていた。私もそんな気持ちでした。そして、照ノ富士が焦って出てくるところを二度とも受けつつ引きずって倒すという形になったら、もうみんな騒いでいました。それがおかしかったんでしょう。私もそうでした。でも、だんだん冷静になっていったんです。ここが大阪人になりきれないところかな。こんなにワイワイしていていいんだろうかと思ったんでした。ああ。
国歌斉唱の場面、それはもうみんな高らかに声を合わせて歌っていました。夕飯の準備で忙しいうちの奥さんも、さすがにその声にびっくりしたのか、「みんな歌っているね」とチラッと見ただけで、そんな印象を持ったようです。
確かに、みんなで歌っていたような感じでした。そうです。いつもなら少しは帰っていくお客さんがいるのに、みんなが表彰式を見よう、歌も歌おうという雰囲気で、会場全体が1つになろうとしていた。
一方、稀勢の里自身は、気持ちが高ぶったのか、ようやくここへ来て涙を流していた。こんな盛り上がりやすい、東京とは少し違う変なお客さんたちの中で、何だかわからないうれしさがこみ上げてきたんでしょう。インタビューのテレビ中継はなかったけれど、そこまではお客さんたちは見とどけたことでしょう。
ナンバの体育館を出た後も、何とも言えない高揚感を抱え、みんなウキウキして家に帰ったんだろうか、うれしさ気分でどこかでお食事でもしたんだろうか。
みんなうれしかったんですね。
それと同じように、みんな照ノ富士が許せなかったみたいでした。それは14日目のことでしたか。関脇転落の琴奨菊が10勝すれば大関にカムバックできるといこところで、八勝五敗までこぎつけて、一敗もできないところに追い込まれていた。対するは一敗で稀勢の里を追いかけていた照ノ富士で、お客は真っ向勝負の力対力の取り組みを期待した。
すると、照ノ富士は右に変化して、突っ込んだ琴奨菊はすってんころりんと転がってしまう。もうお客はブーイングをならします。
照の富士は、一敗ではありましたが、終盤に来て持病の膝が悪くなっていたようでした。だから、なるべく無理はしたくないし、土俵際で粘るとか、そういうことは避けたかった。おまけに琴奨菊はいつまでも自分のペースの立ち合いで、こちらがちゃんと構えているのに、なかなか立たない。一度こちらからつっかけてしまったら(先に相手の方へ飛び込んでいったら)、琴奨菊は立てなくて待ったがかかります。琴奨菊はキミに合わせられなくてゴメンというしぐさ。ああ、もうまどろっこしい。いつでも立てるくらい準備万端にしてほしい。
2回目の立ち合いでは、向こうは焦って出てくるだろうから、変化してやろうという気持ちに変わるのは自然なことなのです。勝負ですから、仕切りからずっと勝負は始まっているわけで、相手が何も見ないでとりあえず突っ込んでくるのがわかっていて、それをスルリと外したら勝てるかもしれないと思ったら、外してしまうのもアリなのです。
そして、見事に琴奨菊は転んでしまった。まるで受け身の練習を土俵の上でやっているみたいにきれいにクルリと回転した。
大阪のお客も琴奨菊も「仕方がない」とは思ったけれど、でも、お金を払って見に来ているんだから、もっとおもしろいものを見せろ! という気持ちもあったんでしょうね。ぶつからずに相手の突っ込みをかわすのが何だか許せなくてブーイングした。
そういう気持ちをみんなが共有して、千秋楽の昨日は、もう照ノ富士は、お客もみんな敵に回っていた。私もそんな気持ちでした。そして、照ノ富士が焦って出てくるところを二度とも受けつつ引きずって倒すという形になったら、もうみんな騒いでいました。それがおかしかったんでしょう。私もそうでした。でも、だんだん冷静になっていったんです。ここが大阪人になりきれないところかな。こんなにワイワイしていていいんだろうかと思ったんでした。ああ。